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中期計画を発表する綿貫社長
中期計画を発表する綿貫社長
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発表した中期計画
発表した中期計画
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 ペンタックスは2007年3月期(2006年4月~2007年3月)の決算発表とともに2007~2009年度の中期計画を発表した。売上高は前年同期比10.6%増の1573億円,営業利益は同89.3%増の57億円だった。売上高営業利益率は3.6%と,前年同期に比べて1.5ポイント増となった。デジタル一眼レフ・カメラを販売するイメージングシステム事業が好調で,同事業の営業利益は31億円と,12億円の赤字だった前年同期から黒字化した。

 中でも2006年11月に発売したデジタル一眼レフ・カメラ「K10D」が国内外で売り上げを伸ばしたという。同社のコンパクト・カメラを含むデジタル・カメラの販売台数は300万台で,そのうち30万台が一眼レフ機だったとしている。

2009年度で営業利益率5.8%を必達目標に

 決算発表会に登壇した代表取締役社長の綿貫宜司氏は,2007年3月期の決算内容はそこそこに,2007~2009年度の中期計画について熱弁をふるった。ペンタックスは2007年4月10日にHOYAとの合弁を断念したと発表して以来(Tech-On!の関連記事),HOYAからTOB(株式公開買い付け)の実施を示唆されている。しかも,ペンタックスの筆頭株主である資産運用会社のスパークス・グループがHOYAとの経営統合に替わる企業価値向上案の提示を求めており(プレス・リリース),ペンタックスが発表する中期計画に関係者の関心が寄せられていた。

 ペンタックスが示した中期計画は,2009年度で営業利益112億円,売上高営業利益率5.8%を必達目標に据えたこと。さらに,社内目標としては売上高営業利益率8%を目指すという。この計画を実行するため,同社は売上高の増加を狙うよりも,収益の向上に重きを置く。具体的には,ライフケア(LC)事業とイメージングシステム(IM)事業,オプティカルコンポーネント(OP)事業の3事業に経営資源を集中することで利益率を高める。実際,これら三つの中核事業との関連が浅い約20件の開発案件や事業化案件の整理に既に着手しており,2007年度の営業利益に12.5億円程度貢献する見込みとする。

 さらに,経営体制の再構築として,生産拠点の整理や本社機構の簡素化を実施する。

 まず生産拠点の整理については,海外生産拠点を強化する。デジタル・カメラ事業とレンズ事業ではフィリピン工場とベトナム工場を大規模生産拠点と位置付けるほか,中国(上海)工場で医療用アクセサリの生産を拡大する。また,中国広東省にある合弁会社を重視し,デジタル・カメラ用モジュールの生産を増強するとともに中国市場向けの販売を強化する。国内工場はマザー工場として海外工場の支援拠点と位置付けるが,大泉工場については2007年10月に閉鎖するという。

 本社機構の簡素化については“小さな本社”を目指し,中核3事業本部への権限委譲を加速させる。2007年度内に,本社機構のスタッフ200人を事業部門に異動させるとともに,人事権も各事業本部に委譲する。

デジタル一眼レフ・カメラを年間100万台に

 ペンタックスでは,2009年度に営業利益率5.8%を達成するため,中核3事業それぞれで収益の確保を徹底させる。具体的にはLC事業は2009年度で営業利益14%,IS事業は同5%,OC事業は同8%を必達とする。内視鏡をはじめとする医療機器を取り扱うLC事業では,2007年度に内視鏡「i」シリーズを投入し,初年度に20億円の売上高を目指すほか,ビデオ喉頭鏡の売上高を2007年度に15億円,2008年度に30億円へと拡大する計画である。

 デジタル・カメラを手掛けるIS事業では,デジタル一眼レフ・カメラに注力する。今後,入門機から上位機種までラインアップを拡充する。年間販売台数は2007年度に50万台,2008年度に75万台,2009年度に100万台を計画する。コンパクト・デジタル・カメラについては,数量拡大よりも特徴のある機種を投入して収益性を確保するという。同カメラの販売台数は2007年度に250万台,2008年度に275万台,2009年度に300万台を目指す。

 デジタル・カメラ用モジュールや,DVD装置の光ヘッド用レンズを取り扱うOC事業については,新製品の展開を加速してデジタル・カメラ用モジュールを年間1000万台規模で生産する体制を整えていくほか,次世代DVD対応のレンズも投入する計画である。

 ペンタックスは,2007年5月31日までHOYA以外の他社とは提携や合弁などの交渉ができない制約があるため,今回提示した中期計画は「制約がある中での計画であり,ペンタックスが単独で進められる内容」としている。また,一部報道で「本社売却の実施を計画している」と報じられたが,「そのような計画は現在考えていない」と一蹴した。

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