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日経エレクトロニクス NE Online衛星サイト「Vehicle21」は,フォーミュラワン(F1)世界選手権最終戦,日本グランプリに参戦したStewart Fordチームの技術責任者Andy Miller氏と,Benson & Hedges Jordanチームに帯同する英Hewlett-Packard Co.のSponsorship Technologies ManagerであるGary Morgan氏に,鈴鹿サーキットのピット内でインタビューした。そのもようを2回目に分けて連載する。

 今回はその2回目(第1回はこちら)。Benson & Hedges JordanチームのMorgan氏へのインタビューを掲載する。なお,インタビューは決勝2日前の10月29日(金)のフリー走行後で,Stewart FordチームのMiller氏へのインタビューの後に行なった。(聞き手=田野倉保雄,山下勝己)


---なぜ,Jordanチームに帯同しているの?

Morgan氏 Jordanチームで使っているコンピュータ・システムなどのお守り役さ。いつもは,英国のHP社に勤めていて,レースがあるたびにJordanチームに同行している。
 Jordanチームには,HP社のネットワーク装置や計測機器,サーバ,ノート・パソコン,無停電電源装置(UPS)などを使ってもらっている。それから当然,プリンタもね(笑)。

---ひとりですべてのシステムのお守りをしているの?

Morgan氏 そうだ。その通りだ。すべてのシステムのハードからソフトまで面倒を見ているよ。トラブルが起これば,私の出番だ。

---それなら,かなり忙しいのでは?

Morgan氏 そんなことはないさ。HP社のマシンはパーフェクトだからね(笑)。でもレースの現場は,電子機器にとって,すごくタフな環境なんだ。メカニックが乱雑に扱うので,ついこの間もノート・パソコンのヒンジ(液晶パネルと本体をつなぐ部分)が壊れたことがあったよ(笑)。

---HP社の電子機器で,どんなことをやっているの?

Morgan氏 今日のフリー走行のラップ(周回タイム)のうち,上から二つのデータを英国のJordan社に送る。送るデータは,F1マシンから無線で送られてきたもので,サスペンションやギヤボックス,スロットルなどのデータだ。
 英国のJordan社には,HP社のUNIXシステムが置いてあって,そのコンピュータでバーチャル(仮想現実)の鈴鹿サーキットを走るシミュレーションをやる。そうやって,明日の公式予選に向けたマシンのセッテングを決める手はずになっている。
 シミュレーションの結果は,明日の朝までに鈴鹿サーキットに送られてくる。返ってくるデータはギヤボックスの設定やスロットルの設定など。この結果を,液晶モニタに映して,ドライバに見せているんだ。

---いま,エンジンが動いているようだけど,何をやっているの?

Morgan氏 ちょっと待って。このマシンの写真は撮ってはダメだ。無限ホンダの新しいエンジンの試験をやっているところだから。いまは,エンジンのデータをノート・パソコンに取り込んでいる最中だ。この後,取り込んだデータの解析をやる。