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 IDB Forumは日経エレクトロニクスの取材に対して,次世代の車載向けエンタテインメント,コミュニケーション用データ・バス「ITS Data Bus」の最有力候補はIEEE1394であることを明らかにした。データ伝送媒体にはプラスチック光ファイバを使う。

 ITS Data Busは,車に搭載するさまざまなエンタテインメント関連機器を相互に結び,いわゆる車内LANを構築するために使うデータ・バス。IDB Forum を中心に,ITS Data Busの定義を決める作業が現在進められている。現時点では,今後進展するであろう車のエンターテインメント化に対応するために,D2BやMOST,IEEE1394といったさまざまなデータ・バスが提案されている。ただし,IDB Forumでは,カメラ一体型VTRやパソコンなどのエレクトロニクス機器で採用が進んでいるIEEE1394が,車載向け標準データ・バスとして最も有力としている。

 IEEE1394であれば家庭で使っているエレクトロニクス機器を車内でも同様に使えることが,最有力候補である最大の理由という。すでにDaimlerChrysler社,米General Motors社,米Ford社,トヨタ自動車,仏Renault社の自動車メーカ5社は,車載向けエンタテインメント,コミュニケーション用標準データ・バスとしてITS Data Busの採用を検討することで合意している。ただし,DaimlerChrysler社は1999年中に全車種にD2Bを採用する計画を明らかにしたほか,ドイツ自動車業界は次世代データ・バスとしてMOSTを採用する動きがあるなど,状況は混沌としている。