パイオニアは,1999年10月4日に発表したDVD-Audio,DVD-Video兼用プレーヤ「DV-S10A」と「DV-AX10」を予定どおり12月下旬に発売すると発表した。(発表資料)。プレーヤにDVD-Audio向けの著作権保護に必要な暗号復号化回路を搭載しないまま出荷を開始する。同時に暗号を使用しないDVD-Audioタイトルを発売するという。今後,CSS-2(Content Scramble System-2)に代わる著作権保護技術が確定した場合は,発売後のプレーヤに無償で組み込む。
DVD-Videoディスクの内容をパソコンを用いてハード・ディスク装置などに複写するという,「CSS(破り」が注目を集めており,直接の関係はないものの1999年12月1日には,松下電器産業,松下通信工業,日本ビクターが相次いでDVD-Audioプレーヤの発売を中止している(関連記事)。3社は,DVD-Audioの著作権保護技術であるCSS-2を改良が終わった後,約半年後に製品の出荷を開始すると発表した。
パイオニアは,DVD-Audioプレーヤを発表したメーカのなかで唯一,ソニーとオランダRoyal Phiilps Electronics N.V.が提唱するSuper Audio CD(SACD)との互換性を備えた製品を発表しており,他社と歩調を合わせていなかったことから,対応が注目を集めていた(日経エレクトロニクス,1999年12月13日号,p.19に関連記事)。