PR

 神戸製鋼所は,識別番号付きの小型メモリ・カード「SmartMedia」を記録媒体に使う携帯型音楽プレーヤ「SolidAudio対応プレーヤ」を 1999年7月下旬に発売する。1999年内に4万台の販売を見込む。パソコン周辺機器メーカのハギワラシスコムがOEM供給を受けて販売,本体価格は3 万円程度となる予定である。

CD並みの音質で約6時間の連続再生

 外形寸法は86mm×54mm×10mm。内蔵のLiポリマ2次電池を含む重量は55gである。NTTが開発した「TwinVQ」方式を用いて,CD(コンパクト・ディスク)のオーディオ・データを約1/18に圧縮したコンテンツを再生できる。たとえば容量16Mバイトの SmartMediaに記録した場合,約25分の音楽データが記録できる。さらに,SmartMediaにあらかじめ埋め込んである識別番号を使い,個別に暗号化して記録することで著作権を保護する。暗号化したコンテンツの復号化および再生には米Texas Instruments Inc.製のDSPを用いる。今回のプレーヤでは,内蔵の2次電池を1回充電(約375mAh)することで約6時間の連続再生が可能という。消費電力は約 70mW(うちDSPで40~50mWを消費)である。

 圧縮方式は特にTwinVQにこだわらないという。「DSPを使っているため,MP3やMSAudio(関連記事)などを使ったプレーヤは容易に開発できる。あらゆる圧縮方式のコンテンツを再生できる携帯型音楽プレーヤも将来的には可能」(神戸製鋼所)とする。

ユーザの使い勝手が問題

 SolidAudioは,神戸製鋼所とNTTが1998年7月から共同で進めてきた音楽配信プロジェクト。NTTは,「InfoBind (仮称)」と呼ぶ音楽配信システムを開発し,内部で配信実験を進めている。ただし,今回はインターネットを介した音楽コンテンツの提供に関する発表はなかった。「1999年内にもインターネットによる音楽配信実験を開始したいが現時点では未定」(NTT)という。

 このため現時点でユーザの利用方法は,本体販売時に付属のパソコン用ソフトウエアでCDのコンテンツをSolidAudio用コンテンツに変換したのち,SmartMediaに記録して利用する方法に限られる。SolidAudio用コンテンツは,それぞれの記録媒体に対して固有の暗号化が施され,パソコンで再生することはできない。付属ソフトウエアには,CDコンテンツをSolidAudio用コンテンツに変換する機能のみを設け, MP3コンテンツや,通常のTwinVQコンテンツを変換する機能は設けない。つまり,WWWから自由にダウンロードできるコンテンツは利用できないようにした。音楽コンテンツの不正コピーを防止するための機能はかなり強力である半面,ユーザにとってはこれまですでに発売されている携帯型MP3プレーヤに比べて使い勝手が悪いという問題がある。