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 米Diamond Multimedia Systems社のフラッシュEEPROMに音楽を記録する携帯型プレーヤが違法機器であるとして,米国レコード協会(RIAA)が同社を訴えていた裁判で,米国控訴審は同プレーヤが違法ではないという判決を下した。

 この裁判は,1998年9月にDiamond社が製品発表した携帯型プレーヤ「Rio PMP300」に関するもの。同プレーヤの発売一時差し止めと永久的な販売禁止を求めて1998年10月にRIAAが連邦地方裁判所に訴えた。連邦地裁はいったん,1週間の販売延期命令を出したものの,1998年11月には発売開始に対してゴー・サインを出していた。Diamond社は,すでに米国や日本などで同プレーヤを出荷している。裁判開始をきかっけに,レコード大手などが業界団体「SDMI(Secure Digital Music Initiative)」を立ち上げ,音楽コンテンツの著作権管理技術を検討し始めるなど,その判決の行方に音楽業界や機器メーカの注目が集まっていた。

「録音機器」か否か

 裁判で最大の争点となっていたのは,携帯型プレーヤRioが,米国の民生用オーディオ機器に関する法律「Audio Home Recording Act of 1992 (AHRA)」で定める「ディジタル録音機器(digital audio recording device)」に当たるかどうかである。RIAAは,同プレーヤが「ディジタル録音機器」に相当するにもかかわらず,AHRAで定めたコピー防止方式「SCMS(serial copy management system)」を備えていないのは違法だと主張していた。

 今回,控訴審は「Rioは,パソコンのハード・ディスク装置からのみ音楽コンテンツをコピーできるだけで,(Rioからほかの録音装置に)データを転送できず,オーディオCDやテープなどの録音媒体から直接コピーすることもできない。このため,Rioは「ディジタル録音機器」ではない」と結論付けた。これに対してRIAAは,「控訴審の判決は大変遺憾だ。今回の判決は,世界的に技術の垣根が取り払われつつある現状にAHRAが対応できていないことを示したものだ」との声明を発表している。