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DVD-A7
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DVD-A10。A10では電源部品やコンデンサ,筐体の振動吸収性能など音質をさらに重視したという
DVD-A10。A10では電源部品やコンデンサ,筐体の振動吸収性能など音質をさらに重視したという
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 松下電器産業は,オーディオ用のDVD規格である「DVD-Audio」に対応したプレーヤ2機種を発表した。価格が12万円の「DVD-A7」と同 15万円の「DVD-A10」で,いずれもDVD-Videoディスクも再生できるいわゆるユニバーサル・プレーヤである。今後発売するDVD- Videoプレーヤは,ローエンドのDVD-Video専用プレーヤを除いてすべてユニバーサル・プレーヤにしていく考えだという。

 DVD-A7の価格は,店頭の実売価格で10万円を切ることをねらってつけたもよう。音質などをさらに改善したDVD-A10についても,より多くのオーディオ愛好家に使ってもらいたいとして価格を抑えたという。発売日は1999年11月10日で,DVD-A10は同12月1日になる。

 「1999年度に,DVD-Audio対応のプレーヤは日本で5万台,北米など海外で10万台で合計15万台程度の市場になるだろう。2000年度は 150万台に膨らむとみている」(松下電器)。同社はさらに,2000年のできるだけ早い時期にミニ・コンポーネント・ステレオや携帯型プレーヤ,ラジカセ,カー・オーディオなど「CD(コンパクト・ディスク)が広げてきた市場のすべてに次々とDVD-Audio対応製品を投入し,移行を進める」(同社)と力の入り具合をアピールした。なお,1999年4月にSuper Audio CD(SACD)プレーヤなどを発表したソニーも,CDをSACDで置き換えていくことを訴えている(関連記事)。

坂本龍一氏の「energy flow」などがタイトル第一弾か

 DVD-Audioのタイトルは,ユニバーサルミュージックやワーナーミュージック,日本コロムビア,ビクターエンタテイメント,テイチクなどが発売する予定であるという。発表会にはユニバーサルミュージックやワーナーミュージック・ジャパンの幹部が姿を見せ,タイトルの発売計画について語った。

 ユニバーサル・グループは「米国本社で検討した結果,米国で普及しつつあるDVD-Videoと互換性の高いDVD-AudioがCD の次のオーディオ媒体であるとして普及に努めていくことを決めた」という。米国で1999年内に15タイトル前後(近々詳細を発表する),日本国内では同 10タイトル程度を初回に出す。カラヤン指揮のベルリン交響楽団が1960年代後半~1970年代に演奏したものなど,クラシックを中心にジャズなどを織り交ぜたタイトル構成になる予定。価格については「クラシック・タイトルのうち高価格なCDよりもさらに若干高めになる」と予測する。

 一方,ワーナーミュージックは「プレーヤの発売にできるだけ近い時期に10タイトルほどリリースしたい」という。クラシックなどのほか,日本国内では坂本龍一氏のヒット曲「energy flow」を入れたアルバムがDVD-Audioタイトルの第1弾になる可能性が高いとしている。DVD-Audioタイトルの価格は,SACDタイトルに近い3500円~4000円程度に設定する予定である。「DVD-Audioは,CDに比べて不正コピーなどを防ぐ技術を備えている。ソフト・メーカとしては積極的になりやすい」(ワーナーミュージック)。

電子透かしに対応へ

 DVD-Audioプレーヤの著作権保護技術は,米IBM Corp.と米Intel Corp.,松下電器産業,東芝の4社が提案した,いわゆる4C方式になる。暗号化しないディジタル出力はIEC958形式(分解能16ビット,標本化周波数48kHzまで)に限り,既存のミニディスク・レコーダやCD-Rレコーダによるディジタル録音についてはコンテンツ中に埋め込まれたCCI (copy control information)をSCMS(serial copy management system)に変換することで制御する。さらにDVD-Audioのコンテンツ中には「Transaction」と呼ぶ相互認証過程で使うビットを新たに埋め込めるようにした。このビットがあると,さらに高い音質でのディジタル録音を許すかどうか,ソース機器側と録音機器側が相互にネゴシエーションできるという。

 DVD-Audio機器は,DVD-Videoでも採用していたコンテンツの暗号化技術(CSS:contents scrambling system)のほか,アナログ・コピーに対して有効な電子透かし技術も搭載してコンテンツを保護する。

 オーディオ用のCSSは,ほとんどDVD-Video用と同じという。ただし映像の場合と異なり,曲間の無音領域など復号化結果が容易に予測できる部分があるので,暗号化方式や暗号化カギなどを解析されやすいのではないかとの指摘があった。このため,暗号化方式に一部手を入れたという。

 電子透かし技術については,実効性を高めるためには広い範囲のオーディオ機器で同一方式を採る必要があるとして長期間にわたって検討を進めてきた。たとえば携帯型のMP3プレーヤなどと同一方式を採ると,DVD-Audioの高音質音源からのアナログ出力を使って不正にMP3で再符号化しても,埋め込まれた電子透かしを検出して再生を禁止できる。音楽の著作権保護技術を検討する団体SDMI(Secure Digital Music Initiative)が1999年8月3日に開く会議で,採用する方式が決まるという。松下電器産業はSDMIの方針が決まるのを待ち,今回発表した DVD-Audioプレーヤに電子透かし技術を組み込んだうえで製品を出荷する。