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 日立製作所は,IEEE1394端子を2ポート備えた,D-VHS方式の据置型VTR「DT-DR5000」を,1999年10月から発売する。価格は20万円。同社はこの6月にも,アナログ地上波やBSアナログ放送の記録に向けたD-VHS方式VTR「DT-DR3000」の発売を明らかにしていたが,今回の製品は,それにIEEE1394端子を搭載したもの。

 ディジタル・セットトップ・ボックスからのディジタル放送を,そのままディジタル記録できる。IEEE1394端子を備えるD-VHS方式のVTRは,ソニーとビクターが国内で,松下電器産業が米国で製品化しているが,IEEE1394端子は1ポートしか備えていなかった。

 今回の製品は2ポート備えたことで,ディジタル・セットトップ・ボックスと接続しながら,ほかのVTRと接続するといった使い方が可能になる。 IEEE1394の最大データ伝送速度は200Mビット/秒。端子の形状は4ピン。使用した物理層LSIは,富士フィルムマイクロデバイスのMD8402Cである。ソニーとビクターのディジタル・セットトップ・ボックスとの相互接続性は確認済みである。ビクターのD-VHS方式のVTRとは,現在相互接続性を確認中だと言う。
 
 同社によれば,この製品の当初の発表予定日は,6月23日だった。同社のMPEG2エンコーダ回路を内蔵したD-VHS方式VTR「DT-DR3000」と,同時に発表する予定だった。しかし,発表間際になってビクターがIEEE1394端子を備えるSKYPerfecTV向けセットトップ・ボックスの発売を予定していることが明らかになったため,急ピッチで相互接続製の確保に努めた。にもかかわらず,6月23日のタイミングでは,相互接続性が確保できなかったため,発表をのばしたと言う。

 「直前まで同時に出したかったが,検証に時間がかかった」(日立製作所の担当者)。検証には数ヵ月を費やしたと言う。「IEEE1394端子を搭載した機器レベルでの相互接続性を認証する機関の必要性が,今後高まるだろう」(日立製作所の担当者)としている。(