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 米National Semiconductor Corp.は,IEEE1394向けLSI市場に参入する方針を明らかにした。1999年8月に,米国と欧州を含む数社の機器メーカに対して,チップ・セットのサンプル出荷を開始した。量産出荷は1999年末の予定という。同社はこれまで,試作品の開発などを明らかにしていたが,実際に市場に投入するのはこれが初めてになる。

 同社は参入するに当たって,二つの戦略を採る。一つは低価格化路線を歩むこと。もう一つは,適用する機器を限定することである。

 低価格化路線では,数量によっては5米ドルで提供することもあり得るという。「他社に負けない,競争的な価格に設定することが重要と考えている。リンク層LSIと物理層LSIのチップ・セットで,8米ドル~10米ドルにする。しかし受注量が多ければ,5米ドル程度も可能だ」(米National Semiconductor Corp. Information Appliance Engineering,Business Development DirectorのAjay Padgaonkar氏)。

 焦点を当てる機器はディジタル・セットトップ・ボックス(STB)である。同社はこれまでに,STBに向けた1チップのシステムLSI「Geode SC1400」を発表している。このLSIには,CPUコアのほか,MPEG復号化用回路,グラフィック・アクセラレータ回路などを集積している。この Geodeファミリを使用したSTB向けに,IEEE1394インタフェースのチップ・セットを拡販していくという。「当社は,STBの機能に必要なリファレンス・デザインをトータルに提供できるところを強みとする。この戦略にIEEE1394向けLSIも包含していく」(Ajay氏)。時期は明らかにしなかったが,将来はGeodeに,IEEE1394インタフェース用コアを集積していく計画という。

 サンプル出荷を開始したチップ・セットは,OpenHCIに対応したリンク層LSI「NSC4210」と,最大データ伝送速度が400Mビット/秒の物理層LSI「NSC4103」である(関連記事はこちら→)。4210は,IEC61883のMPEGとDVBフォーマットに対応している。4103のポート数は三つ。ともに,IEEE1394-1995とP1394aに準拠する。このチップ・セットを実装した評価用ボードを,New Hampshire大学(UNH:University of New Hampshire)で相互接続性テストを行ない,他社製品との相互接続性や標準規格との互換性などを検証済みだという。