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今回の太陽電池セルを用いた実演(写真:韓国 光州科学技術院)
今回の太陽電池セルを用いた実演(写真:韓国 光州科学技術院)
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 米University of California,Santa Barbara校(UCSB)は,同大学のProfessor of PhysicsであるAlan J. Heeger氏らの研究グループが,有機薄膜太陽電池で「6.5%と世界最高のセル変換効率を達成した」と発表した。従来は,世界で約5%,日本で4%台が最高だった。詳細は,2007年7月13日付けの科学誌「Science」に発表した。

 今回の研究は,UCSBのHeeger氏と韓国・光州にあるGwangju Institute of Science and Technology(光州科学技術院),Department of Materials Science and EngineeringのProfessor Kwanghee Lee氏が共同で進めていたもの。Heeger氏らは,有機薄膜太陽電池の構造に「タンデム構造」を選んだ。これは,特性の異なる2種類の薄膜太陽電池を積層した構造で,太陽光の幅広い波長を有効に利用するための工夫である。

 タンデム構造は最近多くの太陽電池で利用されており珍しくはないが,今回のポイントは「2層の太陽電池セルの間にTiOx(酸化チタン系材料)の層を挟んだこと」(Heeger氏)であるという。有機半導体には,p型半導体としてPEDOT:PSS,n型半導体としてC60の誘導体PCBMとPCPDTBTの混合材料,およびC70の誘導体のPC70BMとP3HTの混合材料を利用した。

 太陽から見て最初のセルはPEDOT:PSSとPCBM:PCPDTBT,2番目のセルはPEDOT:PSSとP3HT:PC70BMの組み合わせから成る。最初のセルは,750~800nmと440nm以下の波長に吸収のピークがある。一方,2番目のセルは500nm付近に吸収のピークがある。

 Heeger氏は2000年に白川英樹氏らと共に「導電性高分子の発見と開発」でノーベル化学賞を受賞した研究者。

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