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 警察庁,神奈川県警,新交通管理システム協会が共同で神奈川県横浜市の横浜市役所前交差点で実施中の「歩行者等支援情報通信システム」実証実験では,IrDA機能を備えた携帯情報端末を利用することでさまざまな実験を行なっている。実験対象者である車椅子利用者や高齢者,聴覚障害者などにそれぞれ携帯情報端末を持ってもらい,それを操作することで,押しボタンを押す代わりに青信号の延長制御などを実現する。

 携帯情報端末にはシャープ「パワーザウルス MI-610」を使い,国際的な赤外線標準規格「IrDA Control」に準拠した赤外線発信器を搭載するPCカードをスロットに挿入している。これを交差点脇に設置した「Ir station」に向けて操作する。Ir stationの赤外線を検知する窓は地上1.3mの高さに位置し,赤外線検知範囲は水平方向が90度,垂直方向が60度。通信距離は晴天時で3~4m,雨天時で5~6m程度である。実験内容は以下の通り。

(1)青信号の延長制御

 通常,「交通弱者用押しボタン」を押すと,青信号が21秒から26秒へと5秒間延長される。実験では,押しボタンを押す代わりにザウルスを操作して青信号を延長する。腕の上がらない障害者でも押しボタンを押すことなく,横断歩道を渡れる。

(2)現在地周辺の施設などの案内

 交差点を中心とした500m×500mの範囲の地図をIr station からダウンロードし,ザウルスに表示する。データには施設の位置や段差のない歩道などの情報も入っている。今回の実験では,最寄り駅であるJR関内駅の電車発着の時刻表や駅構内の案内図なども表示できる。さらに,目的地を指定することで,その人の歩行条件(車椅子利用者か,高齢者かといったこと)に応じた最適経路を案内する。

 このほか,将来は「緊急連絡サービス」なども実施したいという。携帯情報端末に所有者の住所,電話番号,持病,連絡先などのデータをあらかじめ記録しておく。歩行中に気分が悪くなったような場合,Ir station にこれらのデータを送信,サービスセンターなどを介して救急車を急行させたり,家族に連絡したりする。

 新交通管理システム協会などは,1999年7月末~8月上旬からIr station などハードウエアの耐久試験など実施する計画。これらの実験を踏まえ,2000年度にはシステムを実用化したい考えである。