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 米Cadence Design Systems, Inc.は,同社の回路ライブラリの物理(マスク・レイアウト)形式「LEF(Library Exchange Format)」を,米Si2社(Silicon Integration Initiative, Inc.:設計環境の整備促進を支援する米国の非営利法人)に提供したと発表した(リリース文)。この結果,LEFは,Si2社が進める回路ライブラリの標準化プロジェクト「OLA( Open Library API)」の拡張仕様として,取り込まれる。

 現在,OLAの規格には,回路ライブラリの機能,タイミング,消費電力が含まれるが,それに,物理データ(マスク・レイアウト)が加わる。Si2社は,IPベンダやEDAベンダにLEFのライセンスを11月から有償で供与する。LEFがOLA標準に正式になれば,数年間ライセンスを支払ったベンダには永久ライセンスが無償で供与されるという。

背景にはCadence社とSynopsys社の綱引き

 Cadence社がLEFを第三者機関へ渡すまでには,公式発表ベースでも紆余曲折があった。Cadence社は1998年6月のDAC(Design Automation Conference)でLEFおよびDEF(Design Exchange Format)の無償公開する方針を明らかにした。しかし,それがなかなか実行されないとして,今年3月始めには,米OVI(Open Verilog International)内にOPEF ( Open Physical Exchange Format )が米Synopsys Inc.などにより設立され,Cadence社にLEFの移管を迫った(EDA Online関連記事1)。

 それに対してCadence社が採った動きがLEFそのものではなく,LEFのAPIをライセンス供与する方法だ(EDA Online関連記事2)。3月中旬にLEFのAPIをOLAに提供すると共に,広く一版に有償でライセンス供与すると発表した。6月後半になって,OPEFはLEF/DEFベースの回路ライブラリ形式の標準化を断念し, Synopsys社のGDIF(General I/O Format)をベースに標準化を始めると発表した(EDA Online関連記事3)。そして,今回,Cadence社がSi2社にLEFを提供すると発表した。

 OLAが,もともとSynopsys社の回路ライブラリ形式「Liberty(機能とタイミングをカバー)」対抗で開始されたことを考えると(EDA Online関連記事4),今回,Cadence社がOLA経由でLEFの供与を始めたことには,合点がいく。EDA業界の1位と2位の企業間の綱引きが,回路ライブラリ標準化の背景にある。

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