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 日亜化学工業が1999年2月初旬から出荷を始めるGaN系紫色半導体レーザの詳細が明らかになった。

規格作りは400nmが前提に

 光出力は定格で5mW,しきい値電流は約40mAで,動作電流は50mA(光出力が5mWのとき),動作電圧は5V程度,寿命は1万時間(室温,連続発振の場合)である。発振波長を400nmに設定した理由については,「当社にとって,最も高い歩留まりで製造できる波長であるため。光ディスク装置メーカからも賛同を得ている」(日亜化学工業)という。光ディスクの記録密度は,光源波長が短いほど高められる。

 しかし一部の光ディスク装置メーカは,今回は発振波長が短すぎると指摘する。現在,DVD装置に採用している基板材料であるポリカーボネートは, 390nm付近から光の透過率が急激に低下する領域に入ってしまうからだ。発振波長が400nmだと,マージン(余裕)が10nmしかないため,温度変動や経年変化を考慮に入れた装置設計が難しくなる。ただし,日亜化学工業は今のところ,発振波長を変更する予定はない。このため高密度DVD装置の規格作りは400nmを前提に進みそうだ。紫色レーザの基板は,サファイヤである。サファイヤ基板上にGaN膜を成長させ,その後,レーザ素子の構造を作る。

新世代DVD開発が本格化する

 青~紫色の短波長レーザは,大手AV機器メーカが「のどから手が出るほど欲しい」(あるAV機器メーカの技術者)重要な部品である。今回,日亜化学がサンプル出荷を発表した紫色レーザを使うと,DVDの記録容量を現行の約2.5倍に高められる。HDTV画質で映画を納めた高画質DVDや,VTRを代替する光ディスク録画装置(いわゆるVDR:video disk recorder)などを実現できる。いずれも,ディジタルHDTV放送時代には重要な戦略商品に育つと見こまれているAV機器で,ソニーやパイオニア,松下電器産業などが試作機の開発や,規格策定で先陣を競っている。