PR
ソニー 執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏
ソニー 執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏
[画像のクリックで拡大表示]

 ソニーは,2007年度第1四半期(2007年4~6月)の連結決算を発表した。連結売上高は対前年同期比13.3%増の1兆9765億円,営業利益は同267.2%増と大きく伸びて993億円,当期純利益は105.8%増の665億円だった(発表資料)。

 「連結売上高,営業利益,当期純利益とも第1四半期としては過去最高を記録した」(同社 執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏)。同社の稼ぎ頭であるエレクトロニクス分野が売上高が対前年度同期比11.6%増をはじめ,ゲーム分野が同60.5%増,映画分野が同13.0%増,金融分野が48.9%増などほとんどの事業分野で増収だった。営業利益については,同77.3%増のエレクトロニクス分野が連結営業利益全体の85%近くを稼ぎ出した。ゲーム分野が292億円の赤字と前年同期に比べて赤字幅を広げたが,エレクトロニクス分野や営業利益338億円だった金融分野といった好調な事業分野が十分にカバーした。

液晶テレビは増収に寄与したが減益,単価下落に巻き込まれる

 分野別に業績をみると,エレクトロニクス分野の売上高と営業利益は,それぞれ1兆4293億円と841億円。増収の要因として,ソニーはデジタル・カメラ「サイバーショット」や液晶テレビ「BRAVIA」,ビデオ・カメラ「ハンディカム」を挙げる。サイバーショットやハンディカム,そして「プレイステーション 3(PS3)」向けのシステムLSI,イメージ・センサ,パソコンが増益に寄与したという。液晶テレビについては増収に貢献したものの,単価下落の影響によって減益要因となってしまったという。

 エレクトロニクス分野のうち,テレビ事業だけを取り上げると,売上高は対前年同期比10%減の2352億900億円。営業損失は約390億円の赤字であり,前年同期に比べて赤字額は約280億円悪化した。これは,液晶テレビの単価下落ほか,市場が縮小している液晶リアプロジェクション・テレビ事業が影響した。

 液晶テレビ事業の単価下落についてソニーは,「年間の単価下落幅を当初は大型品が25~30%,小型品で20~25%とみていた。しかし,主に欧州市場で想定よりも早く,第1四半期だけで7~8%も下がってしまった」とする。単価下落に巻き込まれた理由として,いわゆるフルHD対応品の販売が「他社に比べて若干遅れてしまった。価格を下げねば戦えなかった」(同社の大根田氏)ことを挙げる。ただし,同社は2007年8月以降から秋にかけてフルHD対応品を拡充する予定であり,下期は他社と十分に戦っていけるとした。

PS3は増収に寄与,ただし戦略価格が赤字につながる

 ゲーム分野の売上高は1966億円。前年度下半期に発売したPS3のハードウエアやゲーム・ソフトウエアが売り上げ増に寄与したことに加え,出荷台数が対前年同期比16%増の「プレイステーション2(PS2)」および同52%増の「プレイステーション・ポータブル(PSP)」も増収につながった。ただし,PS3は「製造コストを下回る戦略価格で販売している」(ソニー)ため,ゲーム分野全体では赤字から脱することはできなかった。

 ソニーは決算発表の場で,PS3やPS2,PSPの売り上げ台数についても報告した。2007年度第1四半期の売り上げ台数は,PS3が71万台,PS2が270万台,PSPが214万台である。PS3の売り上げ台数についてソニーは,「当初の計画に比べて若干下回った」とした。PS3対応のソフトウエアを拡充しており,2008年3月には200タイトルを超える見込みであることなどから,PS3の売り上げ台数は順調に伸びると期待する。2007年度通期の見通しでは1100万台を掲げる。なお,今回の決算発表から,ソニーはゲーム分野のハードウエアとソフトウエアの数量を従来の生産出荷台数・本数から,売り上げ台数・本数に変更している。

■国内企業の最新の決算はこちらからご覧いただけます。

この記事を英語で読む

この記事を中国語で読む