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 日産自動車は,新型車「セドリック」「グロリア」を発表した。6月28日から全国一斉に発売する。「高い信頼性,風格,ステータス性とともに,走りにもこだわった」(日産自動車塙義一社長)。価格はセドリック,グロリアともに311万円~494万円。販売目標台数はいずれも3000台/月ずつを計画している。なお,注目の最高執行責任者カルロス・ゴーン氏はフランスに出張中とのことで,発表会場には現れなかった。

カーナビ画面をインパネに埋め込む

 今回新たに,インスツルメンツ・パネル(インパネ)の左端にカラーTFT液晶パネルを埋め込み,各種情報を表示する「トータルインフォメーションディスプレイ」と呼ぶ機能を搭載した。表示する情報は,自動車に何らかの故障が起こったときの警告表示や,レーザ・レーダによる先行車との車間距離測定結果,オイル交換の時期を知らせるメンテナンス情報,燃費情報,ドライブ情報などである。液晶パネルの画面寸法は,5.8インチ型,もしくは7.0インチ型である。

 このほか,この液晶パネルはカーナビの画面としても使える。今回同社としては初めて,DVD装置を使ったザナヴィ・インフォマティクス製のカーナビを採用した。DVD装置を使うことで,従来に比べてより細かい地図で,ビルの高さなどを表現した「立体バード・ビュー(鳥瞰図)」を実現できたという。

コンパスリンクに新機能を追加

 ドライブに関する情報を提供するサービスである「コンパスリンク」には,新機能を追加した。オペレータを介さずに自動的に情報を得ることができる「オートコンパスリンク」と呼ぶ機能である。従来は電話をかけてオペレータを通じて情報を得ていた。

 新機能を使えば,交通情報や天気情報などドライブに欠かせない情報を,イグニションをオンにしたときなどに定期的にダウンロードできる。今後,この機能を同社のほかの車種にも搭載する予定という。なお「現在,コンパスリンクの会員は1000人に達していない。本格的に普及するには,あと2年程度かかるだろう」(説明員)と見ている。

 情報提供サービスに関しては,日産自動車は「コンパスリンク」,トヨタ自動車は「MONET(モネ)」,本田技研工業は「インターナビ」というように自動車メーカごとにバラバラになっているサービスを統合化する動きが始まっているという。各社独自にサービスを提供するという枠組みは変えずに,コンテンツだけを共通化する動きである。「コンテンツを用意することに,多くのコストがかかるからだ。実際に統合する時期は未定だが,すでに話し合いは始まっており,基本的には合意がとれている」(説明員)という。

ミリ波レーダは「シーマ」に追加設定

 新型車では車間距離自動制御システムをオプション設定した。このシステムでは赤外線レーザ・レーダを採用している。日産自動車は,すでに1998年に発表した「プレサージュ」で赤外線レーザ・レーダを用いた車間距離自動制御システムを実用化しているが,「今回は従来のレーダに比べて性能を高めた」(説明員)という。ハンドル角センサの情報などから,カーブなどでも自車線上の先行車をきちんと捕捉できる。なお,赤外線レーザ・レーダではなく,ミリ波レーダを用いた車間距離自動制御システムは,今後「シーマ」に追加設定する計画。

放射雑音には苦労した

 「今回のセドリック/グロリアにはカーナビ用DVD装置を搭載したため,従来車に比べて動作周波数が高いマイコンを採用している。さらに電子機器が増えているため,ワイヤ・ハーネスの数が増加している。このため放射電磁雑音の社内規格を満たすのに苦労した」(説明員)。現状では,自動車を組み立てた後でなければ,放射電磁雑音の大きさを把握できない。このため,放射電磁雑音対策にかけるコストがかさんでしまう。こうした状況を改善するため同社は,設計段階でCADデータなどから放射雑音の大きさを見積もるシミュレータの開発に取り組んでいる。しかし,現時点では実現できていないという。

 なお電気自動車に関しては,「放射電磁雑音の問題からワイヤ・ハーネスではなくプラスチック光ファイバを使うことが必須である」(同)と見ている。

注)今回のセドリック/グロリアで,ワイヤ・ハーネスの代わりにプラスチック光ファイバが使われたわけではない。