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 米Microsoft Corp.は,Windows CEをさまざまな機器への組み込みに向けて本格的に展開していく構えだ。1999年秋にはリアルタイムOSとしての機能を強化したバージョン3.0が登場する。同社のWindows CE関連の責任者であるVice President, Consumer Appliance GroupのHarel Kodesh氏に,現状と将来の計画を聞いた。

 ――Windows CEの組み込み向けは,どれくらいの市場規模になるのだろうか。

 Kodesh ライセンス数を予測するのは難しいが,潜在的な市場規模は巨大だと考えている。これから5年の間,パソコン市場は安定した成長を続けるだろう。だが,インターネットに接続可能な機器の市場は,パソコン市場を超えるだろう。Windows CEの狙いの一つは,こういった機器への組み込みだ。FA機器のうち,リアルタイム性があまり要求されない機器への搭載も予定している。

 ――組み込み用途に向けたリアルタイムOSはたくさんある。ほかのリアルタイムOSと比較して,Windows CEの強みは何か。

 Kodesh 第一に,ユーザ・インタフェースが優れている。ほかのリアルタイムOSではユーザ・インタフェースを一から作らなければならないことが多い。それに対して,Windows CEにはボタンやスライダといった多くのGUI(graphical user interface)部品があらかじめ用意されている。

 第二に,接続性が高い。Windows CEを搭載した機器は簡単にパソコンと接続できる。将来のバージョンではUPnP(Universal Plug and Play)にも対応する。そうすれば,どんな機器とでも簡単につなぐことができるようになる。インターネットに接続したり,データベースにアクセスするようなシステムを簡単に作ることができる。

 第三に,Windows CEは幅広い範囲に使える。Windows CEはモジュールに分かれているので,開発者が必要な部分だけを組み込むことができるからだ。リアルタイムOSとして小さな機器に組み込むこともできるし,携帯型情報端末に使うことも可能だ。

 ――Windows CEはリアルタイム処理が苦手だという指摘があるが。

 Kodesh Windows CE 3.0ではカーネルを変更してこの点を改善する。現在,スレッドの優先度は8段階しかないが,これを256段階に増やす。スレッドの応答時間も,最短50μsにする。Windows CE 3.0は本格的なリアルタイムOSとしても使えるようになる。詳しいことは1999年6月にデンバーで開催する「Microsoft Windows CE Developers Conference」で明らかにする予定だ。

 ――Windows CEを機器に組み込むための新しい開発ツール「Platform Builder」が出荷されたが,従来品と比べてどこが優れているのか。

 Kodesh Platform Builderでは組み込みシステムの開発に要する時間が短くなった。Platform Builderには,シェルやアプリケーションのサンプルが多数入っている。従来の開発ツール「ETK(Embeded Toolkit)」は,サンプルが少なすぎた。開発者は多くのものを一から作らなければならなかったし,そのための学習にも時間がかかった。Platform Builderではあらかじめ用意されているサンプルに手を加えるだけですむ。

 ――Windows CE上のJavaを待望する声が多いが,いつから使えるようになるのか。

 Kodesh 実は,CE 2.1でも使える。われわれは米Hewlett-Packard Co.からJavaVM(Virtual Machine)のライセンスを受けている。ただ,Javaを実行するにはJavaVMのほかに,数Mバイトのライブラリが必要だ。容量の関係から,ハンドヘルドPCなどには入れていない。どういった機器にJavaの実効環境を載せるかは,現在検討中だ。

(聞き手=須川 裕棋,三宅 常之)


組み込み向けのWindows CEに関する情報

組み込み向けWindows CEのホームページ:http://www.microsoft.com/windowsce/embedded/

Windows CEに関するイベント(米国)の案内:http://www.microsoft.com/windowsce/community/events.asp