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 静観してきた大手レコード会社がついに動き出した。米IBM Corp.は米大手レコード会社と共同で,1999年の春から音楽コンテンツの配信実験を始める(日本語リリース文)。実験期間は6カ月間の予定。参加するレコード会社はBMG,EMI,Sony Music,Universal Music,Warner Musicの5社である。米カリフォルニア州サンディエゴでケーブル・モデムに加入している約1000世帯に対し,2000種類以上のレコードの音楽コンテンツをダウンロード可能にする。目的は,配信技術やユーザの反響を検証することである。

 これまでインターネット経由の音楽配信を推し進めてきたのは,ベンチャー企業である。米Z Company社(MP3.comを主催)や米GoodNoise社らが中心になって,主にインディーズの楽曲を配信している。大手レコード会社が参入しなかったのは,著作権保護に対する不安があることと,CD販売ビジネスとの競合を避けるためである。

 ところが,ここにきて大手レコード会社が実験を開始した背景には,MP3フォーマットを使う音楽配信が急増していることがある。1999年2月には WWWの検索サイトを運営する米Lycos社が,MP3用の検索サイトを設けるほどだ。有名アーティストもMP3を使った配信に乗り出している。「なるべくなら参入したくない」大手レコード会社が,ついに動かざるを得なくなったといえる。