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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は東芝と共同で,「将来のエンタテインメント機器に向けたマイクロコントローラ」を開発し,半導体の国際会議であるISSCC99で発表した。SCEでプレステーションを生み出した代表取締役副社長の久多良木 健氏に,開発のねらいを聞いた。


:ISSCCで東芝と発表したマイクロコントローラは,家庭用ゲーム機向けなのか。

久多良木氏:「ゲーム機」ではない。あくまでゲームはコンテンツの一部に過ぎない。現在の「プレイステーション」とはまったく異なることができる機器になる。だから,プレイステーションを置き換えることはない。

:具体的には何ができるようになるのか。

久多良木氏:インタラクティブな映像や音楽の出力が可能になる。現行のテレビ受像機で見る限り,映画と遜色ない品質で3次元グラフィックスを描画できるからだ。プレイステーションでは音楽の品質には満足できたが,画質は十分とは言えなかった。

:なぜパートナに東芝を選んだのか。

久多良木氏:一緒に仕事をしたいと思うエンジニアがいたからだ。チップの開発には238人・年の労力をかけた。現時点で世界最高のマイクロコントローラを完成できたと思う。

:チップ面積が17×14.1mm2と大きいうえに,デバグ機能が充実している。これは評価用チップだからか。

久多良木氏:今回のチップは評価用だ。ただし量産版にもデバグ機能は入れる。製造技術の微細化などでチップ面積は13mm角程度に抑える。ISSCCでは250MHzで動作すると発表したが,量産版の動作周波数はそれよりも高くなる可能性がある。

:マイクロコントローラと組み合わせるレンダリング処理用LSIは。

久多良木氏:とてつもないチップだ。世界中のグラフィックスLSIメーカが驚くだろう。ピクセル・エンジンとCPUコア,DRAMを1チップに集積する。すでに試作チップは完成している。チップ面積はマイクロコントローラよりも大きい。近々,何らかの発表をする予定だ。(聞き手=枝 洋樹)