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 NTTが発表した平成11年度(1999年度)の事業計画で目を引く点は,「情報流通系ネットワーク」の投資額が昨年度よりも増えること。情報流通系ネットワークとは,たとえば電子マネーのような情報を流通させるためのプラットフォームとなるネットワークである。平成10年度の9200億円から平成 11年度は2000億円増の1兆1200億円とした。この投資額は,インターネット接続サービス「OCN」,ISDN(総合ディジタル通信網),高速ディジタル伝送サービス,DDXサービス(セル・リレー・サービス含む)に対する投資額の合計値である。加入者網の光化も積極的に進める。平成11年度は 320万心kmの光ファイバを敷設する計画。これで全国カバー率を27%から36%に引き上げる。今年サービス開始予定のADSL(非対称型ディジタル加入者線)に対する投資は数億円程度に止まる。その大半はADSLモデムに関するもの。日本テレコムの「PRISM」に代表されるIPを用いた次世代通信インフラは,まだ研究開発レベルとして,今年度の投資計画には計上されていない。研究開発費は2830億円。平成10年度に比べて130億円増やした。

既存の電話は減る一方

 サービス別の計画をみると,電話の加入者数の落ち込みに歯止めがかからない。平成11年度末の加入者数は5623万を見込む。これは平成10年度末に比べて230万減となる。平成9年度から減少傾向にあるが,平成10年度末は平成9年度末の185万減だった。ISDNや携帯電話へのシフトは加速状態にある。平成11年度末の公衆電話は8万4000台増の76万3000台とする。増加分はすべてICカード公衆電話である。ISDNは最大128kビット/秒のINSネット64が172万回線増の554万回線,最大1.5Mビット/秒のINSネット1500が1万3000回線増の5万9000回線を見込む。 OCNは専用線型接続が2万2000回線増の4万6000回線,ダイヤルアップ型接続が39万5000回線増の79万4000回線を予定している。

 合わせて発表した収支計画によると,総収入が対前年度比2.9%減の6兆1160億円,経常利益は同26.3%減の2160億円を見込んでいる。

 なお,この事業計画は,NTTの分割・再編の時期や内容などが確定し次第,変更する予定という。