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 東芝は,近距離無線データ通信技術「Bluetooth」を使って,リアルタイムの動画像を伝送するシステムを試作した。

 動画像の高能率符号化(データ圧縮)方式にはMPEG4を使う。同社はこのシステムを,2000年2月24日からドイツで開催される展示会「CeBIT 2000」で公開する予定。 システムは,ノート・パソコン,ディジタル方式のカメラ一体型VTR,Bluetooth用PCMCIAカード(デンマークDigianswer社製)などで構成する。

 カメラ一体型VTRで撮影した動画像を,ノート・パソコンに取り込んだ後,MPEG4で圧縮して,Bluetoothで伝送する。今回開発したシステムでは,QCIF(quarter common intermediate format)の画面を約10フレーム/秒程度送れるが,今後はさらにフレーム速度を高めていくとしている。 具体的には,BluetoothのL2CAPレイヤの上位に,TCP/IPレイヤを積み,その上にインターネット上のリアルタイム転送プロトコルである「RTP」を載せた。

 このうえで,MPEG4データを伝送する。 現在,Bluetoothの標準化機関であるBluetooth SIG(Special Interest Group)では,Bluetoothを使ったAVデータ伝送仕様「AVプロファイル」の策定を進めている。東芝は,同仕様の作業部会(Audio/Visual Working Group)の加盟企業でもあり,今回試作したシステムの技術を,提案していくと見られる。