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 NECは,IEEE1394のデータを無線周波数を使って伝送する「Wireless1394」のシステムを試作したが,使用した無線周波数の帯域は,60GHz帯である。ワイヤレス1394で使用する周波数帯域は,ほかにも5GHz帯が有力視されている。NECは,5GHz帯に比べ利用できる帯域が大きい60GHz帯を使った方が,高速のデータ伝送が可能と見て,採用した。

 「5GHz帯では100Mビット/秒を出すのは難しい。それでは現状のIEEE1394のプロトコルで伝送できない」(NEC)。ちなみに,キヤノンも,1999年10月にスイスで開催した「Telecom99」で,60GHz帯を使ったWireless1394システムを公開している(関連ニュースはこちら→)。 NECはこれまで,赤外線伝送などに向けた長距離伝送用リピータ「TERMBOY」シリーズを製品化している。

 今回の試作機は,TERMBOYの光送受信モジュールを,無線送受信モジュールに変更するなどして,作り込んだ。IEEE1394用のリンク層LSIと,長距離伝送用の物理層LSI「μPD72880」などはTERMBOYと共通である。μPD72880は,無線伝送時に発生するマルチパスなどの問題を,考慮した作りになっていると言う。

 無線電波の変調方式には,比較的構成が単純な ASK(amplitude shift keying)を使い,送受信モジュールの低価格化をねらう。製造技術にはGaAsを使っている。なお,同社は60GHzの送受信部を低コストに実現できる技術を,2000年2月7日から米国で開催する「ISSCC 2000」で発表する予定。