NECは,近距離無線データ通信技術「Bluetooth」に対応したノート・パソコンを開発した。ノート・パソコンとプリンタなどの周辺機器との間を無線で接続できる。「2000年夏以降に,上位機種から製品化する」(NEC)。開発したパソコンは,2000年2月24日からドイツで開催する展示会「CeBIT2000」で展示する予定。
同社のA4型オールインワン・タイプと,B5型の2種類に,Bluetooth用送受信モジュールを内蔵した。RFトランシーバLSIには,米National Semiconductor Corp.の製品を使用する。ただ,モジュールのメーカ名については,機密保持契約を結んでいるため明らかにできないという。NECは,独自にBluetooth用チップ・セットの開発を進めているが,今回の試作機では採用していないという。
内蔵型パソコンを開発したねらいは,「PCMCIAカードやUSBドングルなどでも対応はできる。しかし,モジュールを内蔵してしまった方が,ユーザの使い勝手が良く,結果として早期の普及につながると判断した」(NEC)。
アンテナは,ノート・パソコンの本体側面部に内蔵した。Bluetooth対応機器の開発メーカからは,アンテナの実装位置を課題とする声が多いが,NECは「PIAFS用アンテナなどの経験から,本体側面部に決めた」という。アンテナの材質は誘電体セラミックである。