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 インテルは1999年3月2日,国内向けにデスクトップ・パソコン用のマイクロプロセサ「インテルPentiumIIIプロセッサ」を発表した。動作周波数によって3製品に分かれる。450MHz版の製品は1000個購入時の単価が5万7630円,500MHz版は同8万870円,550MHz版は価格未定。1999年第2四半期に出荷を開始する550MHz版以外は,即日出荷を開始した。

 PentiumIIIで加わった新命令であるSSE(Streaming SIMD Extentions)命令を用いたアプリケーション・ソフトウエアは,1999年6月までに国内で50製品,全世界で200製品に達する見込みだという。発表会場でも画像や音声の処理,ゲームなどSSEを用いたアプリケーション・ソフトウエアが多数展示された。なかでもヤマハのソフトウエア音源「S- YXG Poly-VL」と,サーバーリンクのDVDビデオ再生ソフトウエア「PowerDVD」が注目を集めた。前者は楽器の構造から空気の振動,楽器の共鳴を演算し,波形をリアルタイムに合成したVL音源に特徴がある。従来はマイクロプロセサの処理性能が不足していたため,VL音源対応の音は同時に1音のみ出力可能だったが,SSEに対応することで4~8音が同時に出力できるようになったという。「PowerDVD」では再生自体は300MHz動作の PentiumIIでも可能だったがSSEを用いることで,マイクロプロセサの占有率が減り,他のアプリケーション・ソフトウエアを同時に実行できるようになったという。

 PentiumIIIで加わったもう一つの機能「プロセッサ・シリアル・ナンバ」について,国内向けの対応が明らかになった。インテルは国内のパソコン・メーカ向け,店頭販売向けにプロセッサ・シリアル・ナンバを有効にした状態で出荷する。国内パソコン・メーカの約6割が有効のまま出荷を行うという。

 発表会場では,パソコン・メーカ約40社がPentiumIIIを搭載したパソコンの展示を行った。ソニー,NEC,富士通,日本アイ・ビー・エムなどの大手メーカと並んで,ソーテック,プロトン,三井物産デジタルなどホワイト・ボックス・メーカや販売店など31社のパソコンが並んだ。各社とも1999 年3月3日から製品の出荷を開始するという。