ソニー・コンピュータエンタテインメントは1999年3月2日,現在の家庭用ゲーム機である「プレイステーション」の次世代版を正式に発表した。日本では来冬,欧米では2000年秋の発売を予定する。
ソニーは,「ゲーム機を超えたコンピュータ・エンタテインメント機器」と位置づけ,ゲーム機以外の用途も想定していることをほのめかす。発表会場に試作したブレッド・ボードを持ち込み,実機を使った3次元グラフィックスのデモを披露した。
既存のソフトも互換再生
既存のプレイステーション用タイトルとも互換性を取る。現行のプレイステーションで採用していたLSIの回路を,新規開発した入出力処理LSIに取り込んだ。
3次元グラフィックスのレンダリング処理LSIの概要も明らかにした。フレーム・バッファとして4MバイトのDRAMを集積する。演算回路とフレーム・バッファの間は2560ビットのバスで接続する。データ転送速度は48Gバイト/秒と高い。1画素を64ビット(RGB表示に24ビット,アルファ・ブレンディングに8ビット,Z値に32ビット)で表現する。アルファ・ブレンディングなどを施した48画素から成るポリゴンを描画した際の処理性能は5000万ポリゴン/秒という。動作周波数は150MHz。
なお,ジオメトリ演算を担当するマイクロコントローラは300MHzで動かす予定であることを明らかにした。外部インタフェースとしては,IEEE1394とUSB,PCMCIA,メモリ・カード・スロットなどを備える。
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