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情報機器の開発自由度が広がる

 発売が始まるこれらのシステムは,あくまで現時点でのクルマとの接続が前提である。これが「POFとの接続を前提としてよい」となれば,これまで考えられなかったようなシステムが登場するだろう。車内にPOFによる「高速データ伝送インフラ」が整うことで,機器メーカはデータ伝送速度を気にすることなく,自由に機器を開発できる。

 たとえば,100Mビット/秒程度と高いデータ伝送速度ゆえにクルマ向けとして開発できなかったようなシステムを,新たに開発できる余地が生まれる。こうした機器が開発され,次々とPOF搭載車に採用されるようなことになれば,クルマの情報化は一層加速する。

「実写型カーナビ」が登場

 こうした機器の「芽」は,すでに出始めている。

 NTTサイバースペース研究所は,車体前方に搭載したCCDカメラで捕らえた前方の風景を,リアルタイムでカーナビ画面上に映し出す「実写型カーナビ」を試作した。建物の名称や交差点での曲がる方向を示す矢印などを,実写映像上に重ねて表示する。実際の前方風景とカーナビ上の映像が一致するので,運転者にとっては非常にわかりやすい。

 ただし,このカーナビをデータ伝送速度が数Mビット/秒~数十Mビット/秒程度の現行の情報系LANに接続しても,正常に動作させることはできない。リアルタイムで動画を伝送するため,100Mビット/秒~200Mビット/秒程度のデータ伝送速度が必要となるためだ。

 対策として,CCDカメラによる画像データを圧縮して伝送し,カーナビ側で伸長して画像を再生することも考えられる。ただし,この動作には0.5秒~1秒程度の時間がかかるため,リアルタイム性が損なわれてしまう。「走行するクルマのカーナビ画面上で,この「遅れ」は許されない。リアルタイム性を確保するためには,データを高速で伝送できる伝送媒体に接続するのがベストだ」(NTTサイバースペース研究所)。

    連載の目次
  1. 光が開くクルマ市場(1)
  2. 光が開くクルマ市場(2)
  3. 光が開くクルマ市場(3)
  4. 光が開くクルマ市場(4)