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記者会見するソニー 上席常務 森本 昌義氏
記者会見するソニー 上席常務 森本 昌義氏
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 ソニーは,1998年度(1998年4月~1999年3月)のソニー・グループ連結業績を発表した。ゲーム分野は増収増益と好調であったにもかかわらず,同社のコア・ビジネスであるAV機器などのエレクトロニクス分野の利益が,大幅に減少した。その結果,売上高はグループ連結で6兆7946億円,利益は3386億円となった。1998年度利益は,対前年度比34.9%の減少である。

 エレクトロニクス分野の業績については,ノート・パソコンやカメラ一体型VTRなどの出荷が好調だった。その一方で,携帯電話機やコンピュータ用ディスプレイの価格競争激化や,半導体の需要低迷などのマイナス要因があった。アジア,ロシア・東欧,中南米地域の販売不振の影響も受け,全体として売り上げは減少している。

 エレクトロニクス分野の売上高は対前年度比0.5%減の4兆6684億円で,利益は広告宣伝費や研究開発費,人件費の増加を受けて,同58.7%減の1298億円であった。エレクトロニクス分野の大幅な減益が,連結決算の減益につながっている。

 一方で,ゲーム分野の業績は増収増益を記録した。日本市場においてプレイステーションのソフトウエアの売り上げが伸びている。さらに,欧州市場ではソフトウエアに加えゲーム機の売り上げも好調だった。1998年度におけるゲーム機の生産出荷台数は世界で2160万台。前年度から1割強も増加している。しかし1999年度の出荷量は1700万台程度と,減少を見込んでいる。

 ゲーム分野の売上高は対前年度比8.5%増の7838億円で,利益は同16.7%増の1365億円であった。ゲーム分野の利益が,エレクトロニクス分野を超えたのは,今回が初めてである。

 ソニーは1998年度の業績発表と同時に,1999年度の研究開発費と設備投資額の見込みも公表した。ゲーム機の出荷量減少を見込み,ほかに業績が上向く材料も見当たらないなかで,ともに1998年度実績から増額する。この増額は,主に次世代プレイステーション用の半導体生産に向けたものである。通信分野への進出も表明するなど,今は将来の「収穫期」に向けて,「芽を育てる時期」とする考えだ。