PR
Philips Lighting社CEOのTheo van Duersen氏。手に持つのは,T8蛍光灯とTL5蛍光灯。細い方がTL5蛍光灯である。
Philips Lighting社CEOのTheo van Duersen氏。手に持つのは,T8蛍光灯とTL5蛍光灯。細い方がTL5蛍光灯である。
[画像のクリックで拡大表示]

 オランダPhilips Lighting社は,2007年9月19日に照明事業に関する記者会見を開き,地球温暖化防止に対するエネルギー効率の高い照明器具の効果や,同社の照明器具などを発表した。同社CEOのTheo van Duersen氏は発表に立ち,「日本は照明器具の使い方を工夫することで電力使用量をもっと減らせる」ことを強調した。

 Duersen氏によれば,全電気使用量のうち照明用で消費する量の割合は世界平均で19%。欧州に限れば,「高効率な照明器具をいち早く導入している」(同氏)こともあり,14%にすぎないとする。一方,日本は,効率の悪い照明器具を使っている,照明器具を小まめに消さない,さらには過度に明るくしている,といったことが影響し「照明用で消費する電気使用量は全体の20~22%もある。照明の使い方の観点において,日本は世界のどの国と比べても効率の悪い国」(同氏)と手厳しい。照明器具を効率的に使い,地球温暖化防止のためにCO2排出量を削減することを考えると,世界において日本は「最悪な位置付け」(同氏)は厳しい口調で語った。

オフィス照明の電力使用量は約60%減らせる


 逆に考えれば,照明器具の改良や使い方の工夫で日本は電力使用量をかなり減らせることになる。フィリップス エレクトロニクス ジャパンによれば,日本国内に設置されている街路灯の約70%が水銀灯を使っている。これを蛍光灯に変更すると効率が高まり,消費電力を約60%低減できるという。オフィスや施設で使用する蛍光灯を,現在日本で標準的に使われる「T8」と呼ばれる形状の品種から,欧州で標準的になりつつある「TL5」に変更することで消費電力を約60%減らせるとする。

 TL5蛍光灯の発光効率は,専用インバータ回路との組み合わせたときに100lm/W。発光効率の高さだけに着目すると,T8蛍光灯とTL5蛍光灯はほとんど同じである。ただし,TL5の方が投入電力は少ないので,結果として消費電力を減らせる。投入電力が小さい分,光束は少ないが,照明として使う上で十分な明るさを確保しているとする。TL5については,フィリップス エレクトロニクス ジャパンが2007年から日本市場で販売を始めた。このほか,TL5の特徴は外見では直径16mmと細く,寿命は2万時間を保証している。寿命については,将来的に6万時間まで達するとみる。

照明の電力はもっと減らせる,LEDを有望視


 Duersen氏はさらに,照明で消費する電力使用量を最大で40%減らせる可能性があると語った。実現すれば,年間の電気代を1060億ユーロ,CO2排出量を5.55億トン,それぞれ削減できると試算する。このCO2排出量を削減と電力コスト低減を両立できることが,照明器具の利点である。照明の電力使用量をさらに減らす手段としては,効率の悪い光源を高効率な蛍光灯に切り替えていくだけでなく,LED照明に強い期待を寄せる。

 現在,LEDは品種によっては発光効率が90lm/Wに達している。TL5よりも若干劣るものの,蛍光灯は全方位に光を放射するのに対し,LEDは前面だけに放射することを考えるとLEDを使った照明器具の方が効率的に対象物を照らせる。同氏によれば,CO2排出量の削減を第一に考えるとLEDが適しているという。ただし,LEDを使った照明器具は,TL5蛍光灯を使う場合に比べてコストが高い。コストが同等になるには「15年以上はかかるだろう」(同氏)とした。

 LEDのほか,Philips Lighting社は有機ELを使った照明器具も有望と考えている。有機ELは面光源として使え,現在は蛍光灯が担っているような広い領域を照らす用途に向くとする。ただし,有機ELの発光効率は現在40lm/W前後と低く,改善にはまだ時間を要するとみる。

この記事を中国語で読む