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 米Gartner, Inc.は,インドのパソコン市場において,多国籍企業の成長がインド・ブランドの成長を上回っているとの分析を明らかにした(発表資料)。

 HCL Technologies, Ltd.やZenith Computers Ltd.,Wipro Ltd.といったインドのパソコン・ブランドが,2007年上半期のインドのデスクトップ・パソコン市場で占めた割合はわずかに14%。ノート・パソコン市場では6%にとどまった。インド・ブランドではHCL Technologies社だけが多国籍企業との競争に耐えたものの,同社もコンシューマ向けパソコンの市場では多国籍企業に遅れを取っているとする。過去数年間,インド・ブランドは安定したペースで成長してきたが,多国籍企業の成長はそれを上回る勢いだという。Gartner社によれば,2004年の時点ではパソコン市場におけるインド・ブランドと多国籍企業の成長率は,ほぼ同水準だった。その後,多国籍企業の前年比の出荷台数の成長率は2005年に50%,2006年に73%と大幅に伸びたが,インド・ブランドの成長率は2005年に35%,2006年に18%と多国籍企業より低い水準にとどまり,両社の差は大きく開いた。インド・ブランドは,出荷台数の成長が著しいノート・パソコンの品揃えが薄いなど,多国籍企業に比べて製品構成が弱く,これが伸び悩みの一因という。

 2007年上半期のブランド別出荷台数を見ると,デスクトップ・パソコン市場の上位5社のうち,インド・ブランドは2位となったHCL Technologies社のみ。他はすべて米Hewlett-Packard Co.,中国Lenovo Group Ltd.,台湾Acer Inc.,米Dell Inc.といった多国籍企業となった。ノート・パソコン市場においては,上位5社にインド・ブランドは入らなかった。Gartner社によれば,同市場に占める多国籍企業の割合は94%に達するという。

インドのパソコン市場におけるメーカー別出荷台数(デスクトップ・パソコンとノート・パソコン)
インドのパソコン市場におけるメーカー別出荷台数(デスクトップ・パソコンとノート・パソコン) (画像のクリックで拡大)

 Gartner社は,インド・ブランドが市場シェアを回復するためのシナリオとして,以下の3つを挙げる。まずは,製品の品揃えの拡充。インド・ブランドは現在,低位機種から中位機種のデスクトップ・パソコンに力を入れており,上位機種のデスクトップ・パソコンとノート・パソコンの品揃えが薄い。次に販売促進活動を通じて,顧客の目に触れる機会を増やすことが必要という。主要都市の販売店における展示スペースや製品構成の拡充,店員の増員に加え,小規模都市で販売促進活動の展開を図ることによって,シェア拡大を図れるとする。さらに販路の見直しが必要とする。インド・ブランドが新たな販路を獲得するには,米Intel Corp.や米Microsoft Corp.のように,率先して販売店に接近し,POSシステムによってブランドを構築し,製品構成を拡充するなどの投資が求められると分析する。