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 シャープとパイオニアは,業務提携と資本提携に関する記者会見を開催した( Tech-On!の第1報)。会見の冒頭で,シャープ 代表取締役社長の片山幹雄氏は「グローバル競争が激しく,技術の進歩も速い。半年,3カ月先すら予想できない状況だ。こうした中で自社だけで勝負していくと,商機を逸する可能性がある。そこで,自社にないノウハウや技術を補うパートナーが必要になる」と,今回の提携の意図を説明した。「パイオニアは,我々にない,補完できる技術を持っている。パートナーとして最適だ」(片山氏)と提携の効果に期待を寄せた。

 今回の話が持ち上がったキッカケについて,パイオニア 代表取締役社長の須藤民彦氏は「車載機器のディスプレイに,シャープの液晶パネルを採用した。その挨拶の際に,今回の話が出てきた」とする。須藤氏は「今後,単独で勝負を続けていくのは厳しいと感じていた」と打ち明ける。パイオニアは,今回の提携をキッカケに「拡大路線に転じる」(同氏)意気込みである。

 今回の発表の内容は,大きく三つ。(1)共同開発の推進,(2)相互取引の拡大,(3)資本の提携,である。

有機ELも共同開発案件の一つに

 (1)の共同開発の推進については,次世代DVD分野,ネットワーク関連分野,カーエレクトロニクス分野,映像分野という項目を挙げたものの,具体的な開発案件への言及はなかった。「どのようなテーマを共同開発していくのかは,これから決める。今後,両社の現場レベルで話し合いが進むことになる」(シャープの片山氏)という。両社の技術の融合が生きる一例として片山氏は,同社が2007年8月に発表した超薄型液晶テレビの実現に向けて,「次世代のテレビにふさわしい音響が必要になる。そこに,パイオニアの音響関連技術が生きてくる可能性がある」ことを挙げた。

 一方,パイオニアの須藤氏は,「次世代光ディスクについては,シャープは光素子,我々はメカ技術と,それぞれ得意分野がある。こうした技術融合することで,優れた製品が開発できる」と一例を挙げる。

 両社が研究開発を進めている有機ELについては「共同開発のテーマの一つになると考えている」(両社 社長)とした。

 共同開発による知的財産権の問題などについては,「まだ共同開発案件も決まっていない段階なので,それはこれから詰める問題」(シャープの片山氏)とした。

「液晶テレビをラインアップに」とパイオニア

 (2)の相互取引の拡大については,パイオニアが今後,シャープの液晶パネルを採用して,液晶テレビをラインアップする考えを示した。「競合のPDP陣営は,PDPテレビも液晶テレビもラインアップしている。我々がPDPを止めるというわけではない。大型はPDPテレビ,30型台より小型は液晶テレビとすみ分けてラインアップしていくことになるだろう」(パイオニアの須藤氏)とした。

 一方,シャープが今後,PDPテレビをラインアップする可能性は「ない」(片山氏)と断言した。

「経営統合はない」

 (3)の資本の提携については,「あくまで資本提携。将来にわたって,経営統合は考えていない」(両社 社長)とした。今回,パイオニアの筆頭株主がシャープとなる。株式の保有比率は14.69%(総株主の議決権の数に対する割合)。一方,シャープの株式に対するパイオニアの保有比率は0.9%である。

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