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 米DisplaySearch社は,同社主催のセミナー「FPD部材専門フォーラム 2007」の中で,いわゆるフルHD(1080p)に対応するPDPテレビの市場への浸透の予測やコスト構造などを明らかにした。

 フルHD対応品については,42型品や50型品,55型品以上でいずれも右肩上がりに浸透率が高まる。最も浸透率が高まるのが55型以上の品種である。2008年には60%を超え,2011年には80%に達する見込み。50型品でも2011年に50%程度になるが,42型品はこれらの品種に比べて浸透率が低く,20%程度になるとする。42型以上の品種の平均では,2011年のフルHD比率は40%である。一方,同時期における液晶テレビの場合,40型以上のフルHD対応品の浸透率は80%弱に達するとの予測である。

パネルが安いのに,セット価格が高くなる理由は…

 フルHD対応のPDPと液晶パネルのモジュール・コストを比較すると,同じ画面寸法ではPDPの方が安い。例えば50型品の場合,PDPモジュールのコストは2007年第1四半期の段階で590.2米ドルであり,液晶パネル・モジュールの934.9米ドルに比べて300米ドル以上も安い(ここでは52型品と比較)。しかし,テレビ・セットの市場価格になるとPDPテレビと液晶テレビの立場が逆転し,PDPテレビの方が高くなる。DisplaySearch社によれば,フルHD対応の50型品の2007年第1四半期における平均市場価格は,PDPテレビの4453米ドルに対し,液晶テレビは3709米ドルにすぎない。

 逆転の理由としてDisplaySearch社は,PDPをテレビ・セットに組み込む際に要する部品コストが高いことなどを挙げる。PDPテレビでは,EMI対策や反射防止などのために光学フィルターを使わざるを得ず,しかも駆動電圧180~200Vと高いために電源回路が高価で,さらにセット組み立てコストも高くなるという。例えば50型のフルHD対応品の場合,光学フィルターのコストは104.2米ドル(2007年第1四半期の段階)。液晶テレビではこの光学フィルターは不要である。電源回路は61.5米ドルで,液晶テレビの21.1米ドルに比べて約3倍も高い。電圧が高いため,電源回路周りの部品もPDPテレビの場合は液晶テレビに比べて約2倍もある。セットに仕立てる際には光学フィルターを設置する作業などが必要なので,組み立てに要する人件費などはPDPテレビの場合に203.2米ドルと,液晶テレビに比べて30米ドル以上も高い。

発光効率の向上が急務

 DisplaySearch社によれば,PDPテレビと液晶テレビはいずれも技術進化によって画質の差が見えにくくなったので,価格に対する消費者の目は今後一層厳しくなるとみる。その状況の中,PDPテレビのコストを下げるにはPDPの発光効率を高めることで駆動電圧を下げることが必要とする。これにより,電源回路などのコストを削減したり,アドレス電圧が下がることによるドライバICの集積化を進めたりといったことが可能になるからだ。例えば,発光効率が5lm/Wに高まれば6~8%のコスト削減,10lm/Wになれば39~41%のコスト削減の効果が生まれるとする。

 PDPの発光効率の改善については,日本のPDPメーカー各社が参画する次世代PDP開発センター(APDC)などが取り組んでいる。DisplaySearch社は,APDCが開発を進める10lm/Wに達するような高効率なPDPをいち早く実用化する必要があるとした。実用化に時間を要すると,50型以上といった大型テレビ市場を液晶テレビに席巻される可能性が高まるからである。

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