PR
図1:会見するJMAの経営研究所 研究部次長の近田高志氏
図1:会見するJMAの経営研究所 研究部次長の近田高志氏
[画像のクリックで拡大表示]

 日本企業が抱える経営課題の中で,人材強化の重要性が高まっている。日本能率協会(JMA)が主要企業7000社を対象に行なったアンケート調査から,そんな実態が浮かび上がった。具体的な人材強化の内容としては,多くの企業が,中途採用や通年採用の積極化,教育研修費の増加などを挙げた。

 JMAは,2007年6月から7月にかけて「2007年度(第29回)当面する企業経営課題に関する調査」を行なった。対象は,全国の上場企業3929社および従業員が300人以上の非上場企業3071社。有効回答数は848で,このうち製造業からの回答は394(46.5%),非製造業からの回答は454(53.5%)だった。

4割の企業が人材強化を重要課題と回答

 同調査では毎回,企業が最も重視している経営課題を「顧客満足度向上」や「財務体質強化」など約20項目の中から,3つまで選ぶという質問を設けている。今回,「人材強化(採用・育成・多様化)」の項目は,40.0%の企業が2007年度の重要課題であると回答し,全体で2番目に多い回答数となった(1位は「収益性向上」で53.7%)。

 同調査は1979年から毎年行なわれているが,人材強化の項目が2位以上になったのは今回が初めて。2006年および2005年の調査では,それぞれ35.0%と29.9%の3位。2004年から2001年までは13%~20%程度で,順位は7位か8位であり,いかに最近になって人材強化が緊急の課題になっているかが見て取れる。なお,2004年以前は「人材強化」の項目がなかったため「人事・処遇制度(システム)」と「能力開発」「雇用問題」を合計した数値を用いてほかの項目と比べた。

中途・通年採用の拡大,研修の強化が主な対策

 今回の調査では,人材強化に関して採用と教育の面でそれぞれさらに突っ込んだ質問をしている。採用面で,最も多くの企業(87.9%)が「実施している」と回答したのは「中途採用,通年採用の積極化」だった。このうち,30.4%の企業が「成果が出ている」と回答した。実施率が高い順では「採用関連メディアの積極活用」(77.4%),「内定者フォローの強化」(70.9%)が続く。同調査では,約4割の企業が採用について「質もしくは量に不足がある」と回答しており,企業にとって人材の確保が厳しい状況を反映したものといえそうだ。

 さらに教育の面では,51.8%の企業が,2006年と比較して教育予算を増額したと回答した。「維持」と回答した企業は41.0%,「下降」は6.6%にとどまった。どんな研修制度を強化したかという質問では,「新入社員研修」が39.5%でトップ。「中堅社員研修」と「中級管理者研修(部課長)」が,それぞれ36.1%と35.2%で続いた。