PR

 富士電機ホールディングスは,2007年度通期(2007年4月~2008年3月)の利益予想を下方修正した。2007年4月時点では前年度比3%増の475億円を見込んでいた営業利益は同21%減の365億円へ,純利益は同6%増の245億円から同27%減の170億円へ,それぞれ予想を引き下げた。なお,売上高は同6%増の9600億円で当初予測に変更はない。

 減益のほとんどが電子デバイス部門だ。同部門の営業利益は前年度の192億2200万円に対し,2007年度は約1/2の95億円にとどまる見通し。主因は,ハード・ディスク(HD)媒体事業やPDPテレビ向け電源IC事業の低迷という。

 HD媒体事業では,垂直記録方式への対応に向けた製造ラインの工事のために下期は一時的に生産量が落ち込む。加えて,顧客のハード・ディスク装置(HDD)メーカーがHD媒体の内製体制をととのえたことも大きい。米Western Digital Corp.が媒体メーカーの米Komag, Inc.を買収したために,富士電機のHD事業は規模が縮小している(Tech-On!関連記事)。ただし,この業界再編は「従来はKomag社の顧客だったHDDメーカーに対して働きかけるチャンスでもある」(富士電機 広報)として今後,巻き返しを狙う。

 PDPテレビ向け電源IC事業は,PDPテレビの市場が伸び悩んでいるために電源ICの出荷量も減少している状況。富士電機では,稼働していないPDP向け電源ICの製造ラインを,ほかの製品向けに切り換えていく計画で,これも利益の圧迫要因になる。

産業用IGBTモジュールは増産へ

 一方,産業用IGBTモジュールは計画以上に売り上げを伸ばしている。富士電機は今後の需要拡大に備えて生産体制の増強を図る。前工程は既存のマレーシア拠点に製造ラインを新設するとともに松本事業所(長野県松本市)においても増産を始める。これにより,IGBT用の薄ウエハーの生産能力は従来の約2倍の3万9000枚/月となる。後工程についてもマレーシア拠点にラインを新設し,大町富士(長野県大町市)の拠点でも増産をかける。この増強でIBGTモジュールの生産能力は,2007年4月~6月期時点の60万個/月から,2010年4月までに110万個/月へ拡大する。