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Analog Devices社の新JPEG2000対応コーデックLSI「ADV216」
Analog Devices社の新JPEG2000対応コーデックLSI「ADV216」
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ワイヤレスHDMIの伝送デモの様子
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米Tzero社のUWB無線を利用する台湾ASUSTek Computer社の無線モデム
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HDMI送信ICを実装したHDMIインタフェース・モジュールの試作品
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 米Analog Devices,Inc.(ADI)は,IEEE802.11nやUWBなど広帯域のワイヤレス伝送に向けた動画コーデックLSI「ADV216」を発売し,「ワイヤレスHDMI」の伝送を実演した。ウェーブレット変換を利用する動画コーデック規格「JPEG2000」に準拠する。米国における1000個購入時の単価は17.35米ドル。同社の既存の同種LSI「ADV202」の同29.9米ドル,「ADV212」の同25.0米ドルに比べ大幅に低価格である。ただし,出荷時期は未発表である。

 JPEG2000に基づくADV216は,コーデックの回路規模が非常に大きいコーデック規格「H.264」などに比べて圧縮率では劣るものの,処理遅延の小ささや低コストという点で優れているという。このため「帯域に制約が大きい衛星回線などではH.264が向いている。一方,家庭内でUWBを無線伝送技術に用いる場合は帯域に制約が少ないため,H.264よりもJPEG2000が向いている」(ADI)。

台湾ASUSTekが無線モデムを開発

 ADIは2006年9月に,米Tzero Technologies,Inc.と共同でADV202を用いて,UWBを無線伝送路に用いたHDMI信号の伝送を実演した(関連記事)。今回は,コーデックLSIにADV216を用いたシステムで無線伝送を実演した。UWBには1年前と同じTzero社の技術を採用。1年前は個別部品による組み立て品だった無線モデムは今回,台湾ASUSTek Computer Inc.が開発した製品水準の機器になった。

 実演では1080i/720pのHDTV映像信号を65Mビット/秒にまで圧縮して無線伝送した。遅延(レイテンシ)は「システム全体で100ms以下。無線部分で60ms程度だが,その大部分がバッファ遅延で処理遅延はわずか」(ADI)という。

 さらに同社は2007年8月24日に発表した,HDMI v1.3に準拠し,携帯型高精細(HD)機器向けの送信IC「ADV7520NK」を実装した送受信ユニットの実演も披露した。現在,松下電器産業が「VIERA Link」,ソニーが「ブラビアリンク」などとそれぞれ固有の名前をつけているHDMI信号を送受信するインタフェースに利用できる。

 同ICの特徴は,消費電力が低いことだという。「従来の一般的な製品に比べ,実動作時で1/2,待機(stand-by)時で10%低い」(ADI)。加えて,HDMIではオプションとなっているリモコン信号の仕様CEC(consumer electronics control)も実装する。消費電力が低い理由は,「従来必要だった電圧変換回路をIC上に実装したため」(ADI)。これによって,5Vの出力のほか,1.8Vや3.3Vの出力も外付けの電圧変換チップなしで利用できるようになった。