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試作した4MビットMRAM
試作した4MビットMRAM
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 TDKは,4MビットMRAM(magnetoresistive RAM)の試作品を「CEATEC JAPAN 2007」に出展する。今回の試作品をそのまま製品化する考えはないものの,ユーザーとの商談を通じてMRAM事業の可能性を探っていく。これまでMRAM製品を供給できるメーカーは米Freescale Semiconductor, Inc.のみに限られていたため,今後TDKが参入すれば,MRAM市場が活性化する可能性は高い。

 同社は2005年に磁気ヘッドの製造技術を異分野に応用するための研究子会社,MagIC Technologies, Inc.を米国カリフォルニア州に設立しており,今回の試作品はMagIC社による開発成果の第1弾となる。MagIC社は,MRAM内部で情報を記憶するTMR(tunneling magnetoresistive)素子を自社で製造し,その他のトランジスタ部などは外部のSiファウンドリに製造を委託している。磁気ヘッドの量産で実績のあるTMR素子の製造技術を生かすことで,MRAMの品質向上と安定供給を実現できるという。

 今回の試作品は,Freescaleが製品化している4MビットMRAMとほぼ同じ仕様となっている(関連記事)。TDKのMRAMは量産品ではないため,単純に性能を比べられないものの,アクセス時間や消費電力,データ保持特性はFreescaleの4Mビット品と「ほぼ同じ」(TDK)とする。180nm世代のプロセス技術で製造し,44ピンTSOPに封止している点も同じである。

 ただ,TDKは今回の仕様のままサンプル品を顧客に提供する計画は今のところない。特定のユーザーと仕様を詰めながら製品化を目指す。早ければ2008年にも何らかの形で製品化したい考え。なお,今回試作したのは磁界書き換え方式のMRAMであり,米IBM Corp.と共同開発することを発表したスピン注入方式ではない(関連記事)。IBMとの共同開発は,今回の試作とは独立に進めており,5年以内をメドに製品化したいという。