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 以下では,多くの技術者にとって身近な機器が多い電子計測器を中心に最近の製品動向を見てみる。

 電子計測器は,2種類に大別できる。用途を特定した専用機器と,オシロスコープやスペクトラム・アナライザなど広い用途で使われる機器である。中でも後者の汎用計測器については,計測器メーカーによる積極的な新製品の投入が続いている。

「ミッド・ハイ市場」が浮上

 汎用計測器の新製品の動きで最近目立つのは,計測器メーカーが「ミッド・ハイ(中高級機)」と呼ぶ製品カテゴリの存在が明確になってきたことだ。

 従来,計測器メーカーの多くは,最先端の研究開発に向けた「ハイエンド」,主に設計や開発向けの「ミッド・レンジ」,量産設備やフィールド・サービスをターゲットにした「ローエンド」といった三つの製品カテゴリを意識して商品を揃えていた。このなかでミッド・レンジと呼ばれている製品群の中に新たに生まれつつあるのが「ミッド・ハイ」と呼ばれている製品カテゴリである。

 このカテゴリに含まれる製品がターゲットとするユーザーはこれまでと同様に,最もユーザー数が多いハイエンドとローエンドの間の中間にいるユーザー層である。ただし,従来の中級機よりもワン・ランク上のスペックを備えているのがミッド・ハイ・レンジの製品の特徴である。

 こうした傾向が最も強く表れているのがオシロスコープだ。入力周波数帯域の仕様をハイエンド品寄りにした製品を大手計測器メーカーが相次いで市場に投入している。同じ動きは,スペクトラム・アナライザなど他の測定器にも見られる。

 いわゆるミッド・ハイ・レンジ品が生まれた背景には,ユーザーの要求が変化していることがある。エレクトロニクス技術が急激に発展したことや,新たなアプリケーションが増えていることから,ユーザーが開発するシステムに組み込まれる技術が高度化している。このため,多くのユーザーが,より高性能の測定器を必要としている。(次回に続く)