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 「ミッドハイ」と呼ばれる製品カテゴリが活性化しているほかに,もう一つ見られる大きな動きに計測器の「プラットフォーム化」がある。

 エレクトロニクスの分野においてプラットフォームを活用した製品開発は一つの大きなトレンドになっている。多くの市場で製品サイクルの短期化が進んでいるからだ。例えば,特定のアプリケーションに特化したSoC(system on a chip)を設計する場合,あるいは携帯電話機やデジタル・テレビといった特定の商品を開発する場合,従来は複数の設計プロジェクトがゼロから個別に設計を進めていた。ところが,それでは市場の動きに追随できなくなってきたことから,各プロジェクトでの共通部分を土台にして,その上に個別のアプリケーションをのせていくという動きが加速した。

 最近では,この考えをさらに進めて,ハードウエアやソフトウエアも含めた一つの標準プラットフォーム上で,さまざまな機種の製品開発から評価まで行う環境を構築する動きが始まっている。こうした考え方が,測定器にも及んでいるわけだ。

進むプラットフォーム化

 例えば,インタフェース・ボードとパソコンを組み合わせたいわゆるPC計測は,まさしくプラットフォームの考え方に基づいて生まれた計測システムである。生産設備に組み込んだ場合,生産する商品が変わっても測定器を全面的に入れ替える必要はない。一部のハードウエアとソフトウエアの変更で済む。最近では,PC計測システムとFPGA(field programmable logic array)を組み合わせて,疑似的な製品開発ができるようにしたシステムも提供されている。

 プラットフォーム化のもう一つの例は,オシロスコープである。最近はWindowsなどのOSを搭載したシステムを採用している製品が多い。こうした製品では,アプリケーション・ソフトウエアをインストールすることで,用途に合わせたさまざまな機能を組み込むことができる。こうした特徴を利用して,オシロスコープを中心に構成した製品試作用プラットフォームの開発に取り組む動きも始まっている。

 次回では,計測器全体にかかわる大きなトレンドとは別に,目下の計測器市場の動きについて解説する。(次回に続く)