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 スウェーデンEricsson社の子会社であるEricsson Business Innovations ABは,Bluetoothによる無線通信機能とEthernetインタフェースを備えた小型の無線装置「BLIP:Bluetooth Local Infortainment Point」を開発した。この装置をバスの停留所や駅,デパートや商店,カフェなどに設置すれば,Bluetoothを使ったインターネット接続や情報ダウンロード・サービスが可能になる。いわゆる「ホット・スポット」での利用を想定したものだ。

 もちろん,家庭やオフィスに設置して,インターネット接続時のアクセス・ポイントとして利用することもできるが,Ericsson社は主に屋外での利用が中心になるとしている。「カフェに,Bluetooth対応携帯電話機やPDA/ノート・パソコン等を持ち込むだけインターネット接続ができる。そのほか,デパートの店内をぶらぶらと歩いている間や,街角の広告パネルやポスターの前を通り過ぎるだけで,新発売の車や化粧品の情報をダウンロードするというサービスも可能になる」(スウェーデンEricsson Business Innovations AB)。

 こうしたサービス構想は,Bluetoothの標準化当初から存在していた。Ericsson社はついにそれを実際のサービスとして実現するための取り組みを開始したといえる。Ericsson社は携帯電話機の基地局事業では高収益をあげているが,それと類似したビジネス・モデルをBluetoothを使って展開しようとしているかに見える。

操作はスイッチのオン/オフだけ

 BLIPは操作をスイッチのオン/オフだけにとどめており,ユーザがネットワークにアクセスする際の煩雑な処理作業を無くしている。それによって,ユーザが意識しなくともネットワークに接続できるようにしている。

 ソフトウエアの開発環境をオープンにすることで,サード・パーティのソフトウエア開発の促進を期待する。OSは組み込みLinuxである。

Ericsson社は今後,BLIPの関連製品を順次発売していく。最初の製品はハブ装置の「BLIP C11」。C11の主な機能は以下の通り。インタフェースは,Bluetoothと10BASE-T,そしてRS-232Cである。内蔵するメモリは,2MバイトのRAMと2MバイトのフラッシュEEPROM。ARM7TDMIをコアとした32ビットのRISC型マイクロプロセサを備える。電源電圧は4.5~15V。動作時の消費電流は300mA。外形寸法は117mm×88mm×32mm。重さは約200g。動作温度範囲は+5℃~+65℃。価格は約500米ドルで,2001年夏までの発売を予定する。

ケータイでなくともモバイル

 BLIPを使えば,PDAなどを使って屋外でインターネット接続ができる。またBluetoothが備える音声チャネルを利用すれば,電話もできる。
これまで屋外での電話やインターネット接続は,携帯電話機がその主役として位置付けられていた。しかし,BLIPのような基地局が街角にあふれるようになれば,携帯電話機以外の端末の役割りが大きくなりそうだ。少なくとも,携帯電話事業者が独占していたモバイル情報サービスが,長距離電話事業者や地域電話会社にも可能になると言える。「新しい事業者の登場に,大きく期待している」(ある携帯情報端末メーカの担当者)。