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HyperLAN2用アクセス・ポイントのモック・アップ
HyperLAN2用アクセス・ポイントのモック・アップ
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 スウェーデンEricsson社は,5GHz帯を利用する無線通信方式「HyperLAN2」用のチップ・セットを独自に開発した。2001年3月22日からドイツで開催中の展示会「CeBIT 2001」で明らかにしたもの。同社によれば2002年初頭から,同チップ・セットを搭載したPCMCIAカードおよびアクセス・ポイントを,製品化するという。機器メーカ向けのOEM供給も行なう。「現在,6社の機器メーカと,OEM供給に向けた交渉を進めている」(スウェーデンEricsson Business Networks AB,Wireless LAN Systems,Technology ManagerのHans Schmekel氏)という。ただ,チップ・セットのみの販売は行なわない意向である。オフィス内の無線LANはもとより,家庭での動画像の無線伝送などへの適用を視野に入れる。

 HyperLAN2は欧州のETSI-BRANが規格化した方式。最大データ伝送速度が54Mビット/秒であることや,OFDMを利用する点などはIEEE802.11aと同様である。しかし,アクセス制御方式にCSMA/CAではなく,時分割のTDMAを使う。CSMA/CAを使う場合に比べ,動画像伝送時の実効的なデータ伝送速度を高められる。

 チップ・セットは,RFトランシーバLSIとOFDM変復調用LSIなどから構成する。Ericsson社はすでにPCMCIAカードを試作しており,2001年後半にも,欧州の通信事業者と共同でフィールド実験を開始するとしている。同社は,2.4GHz帯を使う無線技術「Bluetooth」は近距離の接続に利用し,HyperLAN2を構内や家庭内の接続に,そして屋外ではW-CDMA(UMTS)を使い分けることで「Always Wirelessを実現したい」(Ericson社のHans Schmekel氏)とする。