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 キヤノンと同社代表取締役会長の御手洗冨士夫氏は2007年10月9日,「週刊現代」2007年10月20日号に掲載の記事がキヤノンと御手洗氏の名誉を傷つけたとして,発行元の講談社に損害賠償などを求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。

 キヤノン側が問題にしたのは,10月20日号に4ページにわたって掲載された「キヤノン御手洗冨士夫“格差社会”経営の正体」と題する記事。フリーランスのジャーナリストである斎藤貴男氏が執筆したものだ。記事は,御手洗冨士夫氏の叔父でキヤノン初代社長の御手洗毅氏が発表した論文の中に「七三一部隊」に連なる人物への謝辞があったなどとして,毅氏と七三一部隊の関連性を取り上げている。「キヤノン御手洗会長と七三一部隊」との小見出しも掲載した。七三一部隊とは,旧日本陸軍の関東軍防疫給水部の通称で,一説には毒ガスや細菌兵器の開発などを進めたとされる。

 キヤノン側はこれを「読者に当社および御手洗冨士夫が七三一部隊と特別な関係があるとの誤解を生じさせるもので名誉毀損に当たる」として,週刊現代誌上や新聞紙面での謝罪広告の掲載と,キヤノンと冨士夫氏それぞれに1億円(合計2億円)の損害賠償を求め,民事訴訟を起こした。

 キヤノンは「御手洗毅と七三一部隊が特別な関係があるように書かれているが,論文に謝辞が記載されていただけでそのように解釈するのは強引。まして甥の冨士夫と同部隊がなぜ結びつくのか理解できない」(同社広報)とする。週刊現代の編集部は「訴状が届いていないため内容についてはコメントできないが,キヤノンが提訴したとされる記事については十分な取材を重ねており,内容は事実に基づいたもの」とコメントしている。