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 首都圏のJR,地下鉄,私鉄各線で2007年10月12日,非接触ICカードを使った自動改札システム「Suica」および「PASMO」の自動改札機が始発から使えなくなるトラブルが発生した。各社とも,障害が発生していない駅を含め,首都圏内の自動改札機のゲートを開放する措置を採った。12日午前中にはすべての駅で復旧した。

 JR東日本によると,問題が生じたのはいずれも日本信号が開発した自動改札機という。横浜,川崎,大宮を含むJR東日本の180の駅で,自動改札機の電源を入れても改札機が正常に起動しなかった。このため,首都圏502駅で改札機のゲートを開放した。原因は現在調査中だが,自動改札機のソフトウエアの不具合で,サーバとの通信がうまくいかなくなった可能性が高い。

 今回,一部の駅で発生した不具合が首都圏全域のSuica,PASMOサービスの停止に発展した理由は,乗降記録の管理方法にある。非接触ICカード技術「FeliCa」を利用したSuicaやPASMOのシステムでは,乗降記録をFeliCaカード側と自動改札機の双方が記録する。その後,自動改札機が各駅のサーバに乗降記録を転送,さらに各駅のサーバが中央サーバに記録を転送して記録の整合性をチェックする仕組みだ。

 このため,例え中央サーバに不具合が発生しても,数日は各駅のサーバが乗降記録を保管することで,サービスの運用を継続できる。これに対して自動改札機に不具合がある場合,例え一部の駅での不具合であっても,ICカードに書き込んだ乗降記録の整合性が取れなくなることから,混乱を避けるためサービスを大規模に停止せざるを得なくなる。