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 矢野経済研究所は,車載用ミリ波レーダおよび民生用ミリ波WPAN(wireless personal area network)の動向調査の結果を発表した(発表資料)。それによれば,76/77GHz帯の車載用ミリ波レーダは,2010年ごろから本格的に大衆車への搭載が始まる見通しという。現在の車載ミリ波レーダの世界出荷台数は30~40万台程度だが,2010年ころには100万台規模になると予測する。矢野経済研究所はこの要因として,SiGe系デバイスと使ったミリ波レーダ用モジュールの単価が,現在の単価と比べて1/3~1/2に下落することを挙げる。SiGe系デバイスは,外資系メーカーを中心として2008年に商品化が具体化するとみる(Tech-On!の関連記事)。さらに,有力な用途であるアクティブ・セーフティー・システム全体のコストダウンが実現すれば,市場の伸びは一層加速し,1000万台規模の市場に成長する可能性もあるという。これは日本,米国,欧州の新車の販売台数の約30%に当たる。

76/77GHz帯の車載用ミリ波レーダの世界出荷台数の予測
76/77GHz帯の車載用ミリ波レーダの世界出荷台数の予測 (画像のクリックで拡大)

 ただし,ミリ波レーダを含むアクティブ・セーフティー・システムは,自動車メーカーとサプライヤ間での密度の高い擦り合わせが必要なために系列の壁を越えにくく,価格競争が難しいという。今後はこの問題解決のため,開発プラットフォームの共通化などが課題となる可能性が高いと同研究所は説明する。

 ミリ波WPANは,キオスクに設置する端末から普及するとみる。レンタル・ビデオ店に変わるものとして,キオスク端末から携帯端末などへDVDを高速でダウンロードするビジネス・モデルが有望という。また,各メーカーは,壁にかけた場合に配線が不要となるミリ波WPANを利用したフラットパネル・ディスプレイの試作品を開発し始めているとする。矢野経済研究所は,2015年におけるミリ波WPAN搭載機器の出荷台数を30億台弱と見込む。ただし,この出荷台数には,キオスクに設置される端末は含まれない。