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 米IBM Corp.や米Cisco Systems, Inc.といった企業が「Second Life」(米Linden Research, Inc.)に代表される仮想世界サービス間で,将来的に互換性を確保するために動き出した。米サンノゼ市で約1100人が参加して2007年10月10日~10月11日に開かれた仮想世界サービスの関連イベント「Virtual Worlds Conference and Expo」(Tech-On!関連記事)の会期中に明らかになった。

 IBM社やCisco社が当面目指す互換性は,アバター(仮想世界におけるユーザーの分身となるキャラクター)といったコンテンツやユーザーが仮想世界内で管理している情報を,異なる仮想世界サービスの間でユーザーが自由に持ち運べるようにすることである。IBM社らがこうした動きを見せ始めた背景には,消費者が単に楽しむだけではなく,仮想世界サービスをビジネスで利用する可能性が見えてきたことがある。

IBM社はVirtual Worlds Conference の初日2007年10月10日に, Second Lifeを手掛ける米Linden Research, Inc.と協力して,仮想世界サービスのためにオープンな標準技術と方法論を共同開発すると発表した(発表資料)。この発表によると両社は,仮想世界サービスでアバターを異なる仮想世界サービスで利用するための標準や技術の策定を目指すという。このほか,仮想世界サービスのソフトウエアのセキュリティをオンライン取引などが可能なレベルに引き上げるための標準技術を定めたり,WWWの技術標準を仮想世界サービスに導入したりするための技術協力まで両社は視野に入れている。

一方のCisco社は,イベントの第2日の2007年10月11日の基調講演で仮想世界サービスの互換性向上を目指す「Virtual Worlds Interoperability Forum(仮名)」という団体の設立を明らかにした(関連のブログ記事)。基調講演に登壇したCisco Technology Center,Chief Architect of Networked Virtual EnvironmentsのChristian Renaud氏によると,仮想世界サービスに関連するいくつかの企業が,2007年10月9日に集まってVWIFの設立を決めたという。IBM社とLinden社の発表はこの動きの一部であるとRenaud氏は説明した。「VWIFが注力する技術分野やスケジュールの詳細は,現時点でまだ決まっていないが,重要な目的の一つは仮想世界サービスに携帯端末のユーザーを取り込むこと。これを実現する技術を定められなければ,この団体は失敗になると考えている」(同氏)。