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 Bluetoothの標準化機関である「Bluetooth SIG」は,2000年10月19日に,開発者向けセミナ「Bluetooth Asia Seminar」を開催した。会場には,対応機器の開発をねらう企業から,約300名の設計担当者が参加した。

 基調講演には,SIGのマーケティング議長であるSimon Ellis氏(米Intel Corp. Data Communication Marketing Manager)が登場し,これまでのSIGの活動を熱く語った。なかでは,加盟企業が2000社を超えたことや,対応製品の市場投入がついに始まったことなど,標準化の成果が順調に現れてきているとした。

 また,Intel社としてのBluetoothへの取り組みにも触れ,出荷が遅れていた同社の送受信モジュール「Ambler」が,一部のパソコン・メーカ向けにサンプル供給を開始したことを明らかにした。当初の価格は30米ドル前後だが,低価格化への努力が必要と考えている。「USBインタフェースのように,すべてのパソコンにBluetoothを搭載させたい。そのためには,10米ドル以下にする必要がある」(Simon Ellis氏)。

 Bluetoothの当初のアプリケーションについては,「ファイル転送,データ同期,ダイヤル・アップ接続,音声通信の四つ」(同氏)に注目しているという。ただ,「現在進行中のプリンタ向けプロファイルやAVプロファイルなどが出てくれば,それらも急速に使われていく」(同氏)とみている。

次世代プロファイルの策定進む

 現行の13種類のプロファイルに加え,新たな用途開拓を目指す九つの作業部会が,次世代プロファイルの策定作業にとりかかっている。今回のセミナでは,そのうち,プリンタ向け(Printing),自動車向け(Automotive),静止画伝送向け(Still image),個人エリア・ネットワーク向け(Personal Area Network)の,四つの作業部会からの講演があった。

 プリンタ向けのプロファイル策定作業は,主につぎの10社を中心に進められているという。それは,スウェーデンAxis Communications社,スウェーデンEricsson社,米Hewlett-Packard社,米IBM社,i-data international社,Lexmark社,米Microsoft社,フィンランドNokia社,セイコーエプソン,東芝である。

 プロファイルの策定は順調に進んでおり,2000年第4四半期には,ドラフト版仕様を,一部の会員企業(Associate)に公開するという。最終版の仕様が固まるのは,2001年第2四半期とした。

 自動車向けの作業部会では,当初策定するプロファイルを三つに決めた。それは,(1)「Hands-Free」,(2)「Phone Access」,(3)「Remote Authentication Access」である。(1)はハンズフリー電話を実現するもの,(2)は自動車内の機器から携帯電話機を操作するための手順,(3)は,自動車内に,携帯電話機と自動車電話が両方存在する際,携帯電話機にかかってきた電話を,自動車電話で受信できるようにするもの。いずれも,2001年なかごろに,仕様の第1版を公開したい考えだ。

 自動車向けでは,仕様策定の混乱を防ぐため,当初は自動車メーカはあまり作業部会の中にいれてこなかった。ただ,そのため,自動車内での要求仕様の策定が難しくなった。それを解決するため,自動車関連のメーカで組織する「Automotive Experts Group」を設置した。同グループの会合の第1回目が2000年9月に行われ,日米欧25社から約50名の担当者が集まったという。今後このグループからの要望にもとづいた形で,より自動車のニーズに適合したプロファイル作りが進められるという。

 静止画伝送向けの作業部会は,現在主に7社のメーカで討議を行なっている。ディジカメだけでなく,静止画を取り扱う機器には,すべてこのプロファイルを実装させたいという。そのため,プロセサの処理能力の低い機器でも搭載可能なように,必要な処理をシンプルに済ませることに力を割いているようだ。2001 年には対応機器を製品化したい考えである。

 なお,これらの作業部会の多くは,2000年12月5日から米国サンノゼ市で開催する「Bluetooth Developers Conference」において,討議状況を報告する予定である。