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 電子技術総合研究所(電総研)とロームは、結晶品質が高いZnO単結晶薄膜の作製に成功したと発表した(ニュースリリース)。ZnOは、直接遷移型の材料で、エネルギ・ギャップ(禁制帯幅:Eg)が約3.4eVと大きい。このためGaN材料を使う半導体レーザよりも短い波長で発振する紫外レーザを実現できる可能性がある。このため多くの研究機関が開発に取り組んでいるが、結晶欠陥が多く電子移動度が低いこと、p型の作製が難しいこと、n型に関しても残留電子濃度の制御が難しいという課題があった。

 今回はこうした課題のうち、電子移動度とn型について解決する手法を開発した。使用した基板はサファイヤA面基板で、成膜方法はMBE(molecular beam epitaxy)である。サファイヤ基板上に低温で成長させたバッファ層を設け、その上にZnO単結晶膜を高温で成長させることで実現したという。作製したZnO単結晶薄膜は、成長後の熱処理をしない状態で、残留電子濃度が1×1017cm-3以下と低く、電子移動度が120 cm2/V・sec以上と高い。

 今後、電総研とロームは残る課題であるp型不純物をドーピングする技術の確立を目指す。そしてpn接合素子の開発に取り組む考えだ。