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 HDMIの規格認証試験の規格であるHDMI CTS(Compliance Test Specification)に準拠した検証サービスを,第3者機関としては国内で初めてアリオンが開始した(ニュース・リリース)。検証システムには日本テクトロニクスの計測器を使う。これまで国内では同規格に準拠した試験は,ロゴ認証試験を行う正式な検証機関「Authorized Test Center(ATC)」であるソニーと松下電器産業内の2カ所しか実施できなかった。

 これまで,HDMI CTSに準拠した試験がATCでしか実施できなかったことで,HDMI対応の機器や電子部品を開発・販売していたメーカーは,さまざまな不利益を被っていた。

 まず,ATCがHDMI関連機器を開発・製造するメーカー内に置かれていたため,競合メーカーが開発情報の漏洩を恐れて試験を依頼しにくい状況にあった。ATCが置かれるメーカー側も,競合メーカーの開発に簡単に知り得る状況に身を置くことにはリスクがあった。競合の技術を知ってしまうことによる知的財産権の汚染リスクや,検証作業の代行を通じて相手に有利な支援をしなければならないからである。このため,機械的な合否判定の作業に徹して,競合メーカーの開発に踏み込まないようにしていた。
 
 その結果,検証した機器などが不合格になったとき,検証を依頼した側のメーカーは不具合を改善するための技術情報が得られなかった。しかもATCでの検証では,検証を依頼した側が,立ち会うことができない。検証作業自体がブラックボックス化しており,不合格時に限らず,検証を依頼するメーカーには不安が付きまとっていた。
 
 加えて,ATCでの検証は,標準的な試験項目の確認でも1ポート当たり50万円~150万円と高額の費用が掛かった。

 今回アリオンが提供するサービスでは,HDMI CTSに準拠した検証による合否判定だけではなく,不具合を改善するための情報を得ることができる。検証の作業に立ち合うことも可能である。また,アリオンの検証サービスでは,HDMI CTSだけではカバーできない独自規格を対象にした相互接続の確認サービスも行う。松下電器がビエラリンク,ソニーがブラビアリンク,東芝がレグザリンク,シャープがAQUOSファミリンクといった具合に,テレビ・メーカー各社がHDMIをベースにして開発した独自リンク技術との互換性を検証できる。合否判定を行う標準的な検証の費用は1ポート当たり35万円である。

 ただし,アリオンは正式な認証機関ではないため,同社で検証した後,あらためてロゴ認証を受ける必要がある。この点は,ATCに検証を依頼した場合と比較した時の欠点である。しかし,不合格になる可能性の高い,新しい機種の開発で効果を発揮しそうだ。