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 NECは,暗号化した結果から,元のデータや暗号化鍵を推定しにくい暗号「CIPHERUNICORN-A」(サイファーユニコーン)」を開発した(発表資料)。他の暗号方式と比べた結果,推定のしにくさでは他の方式を上回ることを確認したという。同社のネットワーク・セキュリティ関連の製品群「i- SecureGlobe」に2000年夏にも組み込むほか,ISOなどによる暗号の標準化作業に候補として提案していく。暗号の詳細は,2000年1月 26日~28日に開催される学会「暗号と情報セキュリティシンポジウム」で発表する。

 開発した暗号は,データの暗号化と復号化に同じ鍵を使う,いわゆる共通鍵暗号である。鍵の長さは,128ビット,192ビット,256 ビットのいずれかを選択できる。同社が1997年に発表した「にせ鍵方式」を改良した。これまで「にせ鍵方式」では,元のデータを64ビットごとに区切って暗号化処理を施していたが,今回は128ビットごとに区切るようにして,解読をより困難にした。

 通常,共通鍵暗号方式では,区切られた個々のデータのブロックに対して,同一の鍵を用いて暗号化の処理を施す。これに対して「にせ鍵方式」では,一つの暗号化鍵を個々のデータ・ブロックの内容に応じて変形し,変形した鍵を使ってそのデータ・ブロックを暗号化する。個々のデータ・ブロックごとに暗号化する鍵が異なってくるため,暗号化した結果から元の暗号化鍵を推定しにくくなる。

 NECは,元のデータや暗号化鍵と,暗号化した結果の間の相関を見ることで,開発した暗号の強度を評価した。元のデータや暗号化鍵の特定のビットと,暗号化したデータの特定のビットに相関があると,暗号化した結果から元データや暗号化鍵を推定しやすくなる。NECは,こうした相関がないほど強度が高いとしている。ランダムに発生した多数の入力データや暗号化鍵を用いて調べた結果,開発した暗号では,相関がほとんどみられなかった。同様な評価方法で,米国の次世代暗号標準「AES(Advanced Encryption Standard)」の最終候補である5方式を調べたところ,いずれもなんらかの相関があることがわかった。こうした結果からNECは,今回開発した暗号を「世界最強の暗号」と呼んでいる。