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今回のモジュール(矢印の先)をUSBドングルに実装した試作品
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モジュールの裏面。裏面のICが,チューナーICかOFDMの復調ICかは明らかにしなかった。
モジュールの裏面。裏面のICが,チューナーICかOFDMの復調ICかは明らかにしなかった。
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モジュールのブロック図と中国の規格の概要など
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微弱電波を利用した放送とその受信デモを公開。パソコンの後ろに「超小型放送局」のアンテナがある。
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 シャープは2007年12月4日,中国の地上デジタル放送規格に準拠した小型チューナー・モジュールを開発したと発表した。チューナーICとOFDMの復調ICを一つのモジュールに実装したもので,寸法が10.7mm×10.7mm×1.4mmと非常に小さいのが特徴。パソコンやPDAなどに向けたUSBチューナーに利用できる。同社によれば,2008年1月にサンプル出荷を開始し,2008年3月までには量産の態勢を整えるという。サンプル価格は3万円である。

 「DTMB(digital terrestrial multimedia broadcasting)」とも呼ぶ中国の地上デジタル放送規格「GB20600-2006」は,2006年8月に正式に発表された仕様(「日経エレクトロニクス」誌の関連記事)。日本のISDB-Tの1セグメント放送(ワンセグ)と異なり,HDTV信号をそのまま利用できることが特徴である。「いわばフルセグ・チューナーをそのままモバイル向けにしたもの」(シャープ)。放送事業者の選択によって,従来のSDTV信号を流すことも可能である。

 今回のモジュールは,シャープがこれまで中国市場のセット・トップボックス(STB)などに向けて開発し,既に出荷済みの「CANタイプ」のモジュールを大幅に小型化したもの。CANタイプの寸法52mm×35.9mm×13.4mmから,体積を1/100以下にした。

 モジュール中に実装したチューナーICは,シャープの独自開発品である。「このICと高密度実装技術が我々の競争力の源泉であるため,製造は日本国内で行う」(シャープ)という。一方,変調方式のTDS-OFDMの復調回路と,LDPC符号という誤り訂正符号の処理回路を1チップ上に集積したICは,米Legend Silicon Corp.製である。「Legend Silicon社は,本社は米国だが実は中国発の半導体メーカー。中国の規格に詳しいという強みがある」(シャープ)。

 想定する端末は,ノート・パソコンやPDA,カーナビ,ポータブルDVD,USBチューナー,スマートフォンなど「携帯電話機以外のモバイル端末」(シャープ)。携帯電話機に使わないのは「消費電力が標準530mWと携帯電話機には大きいため。現在,チューナーおよびデジタル部のICの両方で,設計ルールの微細化を進めており,それで消費電力を下げられると考えている。目標は100mW程度」(シャープ)という。

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