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図1◎自立型の「モビリティロボット」
図1◎自立型の「モビリティロボット」
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 トヨタ自動車は2007年12月6日、最高速度6km/hで走行できる自律型「モビリティロボット(愛称MOBIRO)」を開発したことを発表した。Liイオン2次電池を搭載して、左右2輪のモータを駆動することで2輪走行を実現、1回の充電で20kmの距離を走行できる。充電時間は1時間で、最高速度で約3時間走行できる。

 また、人の歩行に自動で追従することで、重い荷物を運ぶ“ポーター”の機能を持つ。このほか、運転者の呼び出しに対して障害物を避けながら移動したり、元の位置へ自動で戻る自律走行機能も備える。

 MOBIROは2005年の愛・地球博に出展した搭乗歩行型ロボット「i-foot」のモータなどを使って開発した。小回りを効かせるために通常は2輪走行し、人の乗降時や停止時には、前後に設けた補助輪を使って安定させる。

 最大の特徴は、段差を乗り越えたり、左右で高さが違う場合にも安定して2輪走行できるよう、左右輪をスイングアームで支持すること。スイングアームは左右輪から斜め上後方に伸びており、このアームの角度を左右独立に変えることで車高や車両の傾きを調整できる。

 また、2輪走行するための姿勢制御は加速度センサやジャイロセンサを使って姿勢の変化を検出し、各輪の駆動トルクを調節している。ただし、段差を乗り越えたときなどは車体の姿勢を安定させるために、車体の傾斜角が大きくなる。このため、シート自体の前後スライド機構を設けて、段差の乗り換え時には各輪の駆動力だけでなく、シートをずらすことで車体を大きく傾けずに安定させられるようにした。

 スイングアームの可動範囲は約60度で、シートのスライド量は数百mmという。MOBIROは合計で5個のモータを搭載する。そのうち二つは左右輪の駆動用、もう二つが左右スイングアームの駆動用、最後がシートスライド用だ。モータ出力については明らかにしていないが、最も出力の大きい駆動輪用モータでも1kW以下とする。なお、駆動輪のモータは減速歯車で減速し、トルクを増幅している。

 センサとしては人に追従するための超音波センサ、障害物検知用のイメージセンサ、超音波センサなどを搭載する。こうしたセンサで障害物を検知しながら、目的地までの自律走行が可能。また、屋内では赤外線や無線を使った通信機能によってリモコンでロボットを呼び寄せることも可能。

 人間が操作するときは、座席右側にあるボール形のコントローラを使い、アクセル、旋回を行う。一方、ブレーキはその後ろ側にあるレバーを握る。アクセルは操作の容易さを考えて、無段階ではなく6段階としており、ボールを上側に持ち上げると1km/h、もう1回持ち上げると2km/hと、最高6km/hまで上がっていく。一方、旋回は向かいたい方向にボールをひねることで行う。

 今後は2008年にトヨタ社内での実証試験を行う計画で、それに向けて現在150kgある車両を新たに設計し直し、本体の軽量化や小型化を行う。その後、2008年内に娯楽施設の「ラグーナ蒲郡」、2009年からは商業施設の「トレッサ横浜」での実証試験も予定している。同社では2008年にMOBIROを含めて数十台規模のロボットを生産する計画だ。

モビリティロボットを動画で見るにはこちら

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図2◎高さは乗降時が1000mm、走行時は1100mm
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図3◎左右のスイングアームを独立に制御することで段差を乗り越えても車体が傾かない
図3◎左右のスイングアームを独立に制御することで段差を乗り越えても車体が傾かない
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図4◎人に追従して荷物を運ぶことも可能
図4◎人に追従して荷物を運ぶことも可能
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図5◎右手でボール状のコントローラを操作する
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図6◎リアビュー。ウインカーやブレーキランプも点灯するという
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