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 会期初日の午後に,CMOS Devices subcommitteeのセッション“Metal Gate & High-K Gate Dielectrics”(Session 3)が開催された。高誘電率(high-k)絶縁膜/メタル・ゲート(MGHK:metal gate/high-k)スタックは,この11月末に発売された米Intel Corp.の45nm世代のマイクロプロセサに導入されたことから,注目を浴びている技術分野である。初日のこのセッションを含め,今回の会議全体で5つのセッションに渡って議論が展開される。既に実用化が開始されているのに,議論に終止符が打たれないのはなぜであろうか。

用途によって最適な技術が異なる

 その理由の一つは,用途によって適した技術が異なるからである。会期2日目のセッションで発表を予定するIntelの技術は,付加価値の高いプロセサならではのコスト増が許容できる範囲で,高性能ロジックLSIに適したバンド端のゲート仕事関数を得ることにより,実用化一番乗りを目指したものと言って良いだろう。

 一方,ミッド・ギャップの仕事関数が適した極薄SiボディFDSOI(完全空乏型SOI)では,仏CEA-LETIの発表のように,かなり以前からTiN/HfO2が研究レベルでは使える段階に達しており(講演番号3.4),HKMGは単にデバイスのコンポーネントの一部として扱われている。NECのグループも,混載SRAMや混載DRAMにはミッド・ギャップ寄りの仕事関数の方がメリットがあることを主張し,n型用NiSiとp型用Ni3Siの集積化プロセスを提案した(講演番号3.6)。

工程の簡略化や周辺プロセスとの融合が課題

 コスト増が中程度で応用範囲が広いバンド端の仕事関数を得る技術として注目されているのが,ベースとなるゲート絶縁膜とメタル・ゲートの間にキャップ層を設け,従来と同様のゲート・ファースト・プロセスを使う手法である。2007年6月の「VLSI Symposium」では多くの関連発表があり話題となった。今回は,ベルギーIMECが発表した(講演番号3.1)。

 同社はいわゆるDMDD(dual-metal dual-dielectric)構造を使い,nMOS用にTa2C/La2O3/HfSiON(メタル/キャップ/絶縁膜の順)を,pMOS用にTaCNO/Al2O3/HfSiO(同)を使うことでバンド端の仕事関数を実現した。同時に,DMDDでCMOSを製作するためのプロセスを提案している。また,詳細には触れなかったが,接合形成にはレーザー・アニールのみを用いた。

 ゲート・スタックについては,工程が簡単なSMSD(single-metal single-dielectric)が理想である。また,レーザー・アニールに代表されるミリ秒アニールとHKMGの組み合わせの評価は始まったばかりである。その点から,IMECの発表は今後のHKMGの技術開発のベクトルの始点を示すものと言える。

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