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 組み込みソフトウエア最大手の米Wind River Systems, Inc.は,米国シカゴ市で開催中の展示会「ESC Spring」で記者発表を行ない,同社の製品群と,買収により統合した米Integrated Systems, Inc.(ISI)の製品群を統合していくシナリオを示した。統合といっても,内容を見ると,Wind River社の製品群への統一と言える。

 創業者のFiddler氏とCEOのDennis氏に続いて,同社vice president of marketing and corporrate developmentのCurt Schacker氏が,製品戦略を述べた。
 同氏は,新会社を運営していく上での難問として,次の4点を挙げた。(1)「両社がそれぞれ持ち寄ったOSをどうするか」,(2)「両社がそれぞれ持ち寄った開発環境をどうするか」,(3)「両社がそれぞれ持ち寄ったコンパイラをどうするか」,(4)「両社以外のOSをサポートするか」,である。

 そして,(1)と(2)について導いた結論が,「両社のOSと開発環境を統合し,一つのプラットフォームにする」である。次期製品は両社製品にそれぞれ対応する製品とするが,その次の製品は統合品とする。具体的には,Wind River社のOS「Tornado」と開発環境「VxWorks」の次世代版「Cirrus」を2000年第3四半期に出荷する。同時期にISIのOS 「pSOSystem(pSOS)」と開発環境「pRISM+」の次期製品「Stratus」を出荷する。その上で,2001年にCirrusと Stratusを統合した「Cummulus」を出荷する。これ以降は,両社は一つの製品群を出荷することになる。
 さらに,pSOS/pRISM+から,VxWorks/TornadおよびStratusへの移行を促す環境も用意する。同社が「Migration team」を結成し,技術支援を行なう。移行を容易にする開発キットも無償提供する。

 Cirrusの特徴は,「PDT(Protection Domain Technology)」と呼ぶメモリ管理機能を搭載した点である。あるタスクが利用するメモリをほかのタスクが利用できないようにすることで,別のタスクによってメモリの内容が書き換えられてしまうといった問題をなくし,信頼性を高めている。
 Stratusは,Cirrusと同様のメモリ管理機能を備え,開発ツール「Diab-SDS」の最新版に対応する。
 Cummulusは,Cirrusをベースに開発する。pSOSのAPI群を利用できるようにしている。分散処理やJavaなどの技術に対応する。

 上記で述べた難問のうち(3)については,VxWorksユーザが採用しているコンパイラ「GNU」と,ISIユーザが採用しているコンパイラ「Diab」の両方に対応する。ただし,標準品はGNU。Diabはプレミア版という位置付けである。